エルドアン首相、キエフ訪問―ウクライナと協力協約締結、ヴィザも廃止へ
2011年01月25日付 Zaman 紙
トルコ政府は、シリア、ヨルダン、レバノン、アゼルバイジャン、イラク、イギリス、ロシア、中国、そしてギリシャと構築した戦略(的友好)関係の輪に、さらに一国を引き入れようとしている。エルドアン首相が、600人の実業家と実現させたキエフでの宣言において、ウクライナと高度戦略協力会議の設立を予定した協定に署名がおこなわれた。両国はヴィザを撤廃し、自由貿易のテーマでも一致をみた。
トルコが最近各地の諸国家と構築している戦略関係の範囲が拡大している。(そして)トルコは、ウクライナとの戦略関係に向けての一歩を踏み出した。エルドアン首相が、4人の閣僚と約600人の実業家達を率いて実行したウクライナ訪問において、両国間で高度戦略協力会議設立に関する協定が署名された。さらに、エネルギーと輸送を含む6分野についての協定にも署名された。エルドアン首相の訪問とともに、ヴィザのテーマでも両国は話し合いを行い、そしてお互いに入国ヴィザを早期に廃止することで一致した。それに加え自由貿易協定の基盤作りも実施される予定となった。ヴィザや自由貿易の協定が、他の協定とともに早期に実施されるよう計画されている。
一昨日の夜にキエフに到着したエルドアン首相は、公式行事の一環として、ヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領と会談した。その後、ニハト・エルギュン通商産業相、タネル・ユルドゥズエネルギー天然資源相、ビナリ・ユルドゥルム運輸相、メフメト・ザフェル・チャーラヤン国務相とともに、両国首脳団間で話し合いがもたれた。それから、エルドアン首相とヤヌコヴィッチ大統領は記者会見を開いた。ヤヌコヴィッチ大統領は、高度戦略協力会議への署名がとても重要であると表明し、「この署名は、両国の国民達が今日求めていることに応えるのに必要な答えです。この協力会議の問題が相互に押し進めている協力関係に先立つ、重要な協調手順であるという点で(両国は)一致をみました」と語った。一方エルドアン首相は、ウクライナとの諸関係を、さらに先へ進めることが求められていると語り、「トルコとウクライナの間に存在する友好的な諸関係を戦略関係規模に引き上げようと思っています。これに合致する協定に署名を致しました。幸運を祈ります」と表明した。ヤヌコヴィッチ大統領の談話の中で、とりわけトルコの防衛産業への入札に興味を示し、トルコの次期主力戦車の開発とミサイル配備計画に参加する準備があることを伝えた。
■ エルドアン首相、クリミア・タタールの諸問題を聞く
ヤヌコヴィッチ大統領が両国間の貿易総額を、今後5年間で100億ドル、10年で200億ドルを目標とすると述べたが、エルドアン首相はこれに満足しなかった。エルドアン首相は諸目標を2倍に引き上げ「2008年に80億ドルを達成しました。従って、私たちは今後5年間で200億ドル、10年間で400億ドルを目標としなければなりません。この力は両国にあります」と語った。エルドアン首相は、トルコ人の建設業者の成功にも言及し、「将来的に、建設業者達がウクライナで(仕事を)割り当てられることを望んでいます」との要望を伝えた。原子力エネルギーのテーマでの協力に関する質問に対し、エルドアン首相は、「このテーマでエネルギーを担当する閣僚達が話し合いを行い、後ほど詳細に説明を受けます。そして発表の予定です」と返答した。
エルドアン首相は、キエフでトルコ・ウクライナビジネス会議に参加し、クリミア・タタールの幾つかの問題を聞いた。エルドアン首相は、ウクライナの国会議員でクリミア連盟のアブデュルジェミル・クルムルオール会長と行った会談において、トルコがクリミアのトルコ人達の味方であることを明らかにした。エルドアン首相は、「クリミアのトルコ人達は独りではありません」と語った。クルムルオール会長は、クリミアで健康上、水、そして道路の問題があることを伝えた。エルドアン首相は、トルコ開発機構(TİKA)のムーサー・クラクスズ長官に、クリミアでの道路、病院、そして水の問題を取り除く作業を急ぐよう指示を与えた。この会談の後、エルドアン首相に、タラス・シェフチェンコ国立キエフ大学から名誉博士の称号が与えられた。
■ はったりは無用
エルドアン首相は、キエフで実業家達と行った会合において、選挙における(10%の)足切り条項の問題に触れた。エルドアン首相は、政治の安定の点から条項が守られる必要があるとし、「私たちは、特にトルコの経済基盤を危険にさらすことを望んでおりません。トルコは単独政権によっていつも力をつけてきました。連立政権の時代ではいつも後退しました」と語った。エルドアン首相は、暗に共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首を指して、「彼ら(CHP)は公約していますよね、『私たちが政権を握れば、それをします、これを与えます』と。財源をどこからみつけるのでしょう?その答えはこうです。『ほら、あなた方も言っていますよね、トルコは世界の主要20カ国の一員だ(だから大丈夫)』と。皆さん、トルコは主要 20カ国の中にぐずぐずしてはったりをかまして来はしませんでした。着実に26位、17位と歩んで来たのです」と述べた。
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( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:21262 )