「イスラーム・パイプライン」敷設へ:ヨーロッパ向けイラン産天然ガスの新輸出ルートに関し合意
2011年01月22日付 Mardomsalari 紙

イランとシリアの間で文書が署名されたことで、イラン=イラク=シリア=レバノン南部=地中海=ヨーロッパをルートとしたガスの輸出が、最終合意に至った。

 イラン・ガス国営公社のジャヴァード・オウジー代表取締役は、イラン学生通信(ISNA)とのインタビューのなかで、イランとシリア両国の石油相による最近の会談について取り上げ、「数回にわたる実務者協議の結果、ヨーロッパ向けのイラン産ガス輸出の新たなルートに関し、双方は合意し、文書に署名した」と述べた。

 同氏はさらに、「今後一ヶ月の間に、イラン・イラク・シリアの三ヶ国の合同チームが、経済的な評価やガス輸送の新ルートの正確な場所について決定を行う予定だ」と強調した上で、次のように付け加えた。「もちろん、以前のルートについても、いまだに調査を行っているところである。というのも、今後二年から三年で、イランのガス生産量は二倍になることから、複数のガス輸出ルートを指定し、稼働させる必要があるからだ」。

 同氏はまた、この新しいルートの名前が「イスラーム・パイプライン」になる可能性について触れた上で、「そのために、日に1億1千万立方メートルのガスを輸送することのできる、〔直径〕56インチのパイプラインが三カ国で敷設される予定となっている。ガスの供給源は、アサルーイェとサウスパールス・ガス田となるだろう」と指摘した。

 オウジー氏は、このパイプラインはイラクとシリアの需要、ならびにレバノンの需要の一部を埋めるものであり、余った分はヨーロッパにも輸送される予定であると指摘し、「技術チームの協議を経た上で、国際的な顧問を雇い入れ、さらに海外の投資会社を巻き込んだイラン・シリア・イラク三カ国によるコンソーシアムを設立することが合意されている。このコンソーシアムは〔海外から〕資金を調達して、パイプラインの敷設を行うことになるだろう」と説明した。

 同氏は、イラン石油相による二日間にわたるシリア訪問の傍らで、同プロジェクトへの資金提供に関心を抱いている外国企業2社と協議を行ったことを強調し、「パイプラインのルート沿いにある国々の2020年までのガス需要は、イラクで日に1000万〜1500万立方メートル、シリアで1500万〜2000万立方メートル、レバノンで500万〜700万立方メートルになるものと見積もられている」と指摘した。

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( 翻訳者:日下涼 )
( 記事ID:21303 )