ギリシャ紙、「中東混迷はトルコに好機」
2011年02月02日付 Milliyet 紙

ギリシャのメディアは、アラブ諸国で発生している危機が、トルコのエルドアン政権にとって、トルコが、この地域(中東)の発展のために必要とされる(中東と)西側、すなわちEUやアメリカとの間の仲介者としての役割を強める機会を与えているとみなしている。

アテネで発行されている経済紙「イメリスィア」紙は、「エジプトにおける危機はエルドアン首相にとって好機」とした記事で、現状では、「政治的イスラムがこの地域で異なる様相で形成され始めたことは、エルドアン首相に、トルコが非常に重要な仲介者としての役割を強める幸運を与えた」と分析した。

こうした動きは、先週土曜日にアメリカのバラク・オバマ大統領とエルドアン首相の間で行われた長時間の電話会談、そしてトルコ首相がエジプトにおける展開に関し昨日(1日)行った会見により確証されたとする同紙は、エルドアン首相が、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官によるムバラク大統領に向けた警告を聞き入れ、解決策として選挙を提案したとした。

同紙は、昨年6月にガザ沖の海上で発生した悲劇的な事件のせいでトルコ―イスラエル関係に亀裂が生まれ、さらに、それによりアンカラとワシントン間に冷戦ともいえる「影」が落ちて以来、「はじめて、状況が変わりつつあるように見える」と評した。

他方で同紙は、オバマ―エルドアン会談の内容が外に漏れ、アメリカ大統領が「仲介の要請のかわりに、アンカラがアラブ諸国の政変において、コントロールできないような動きをすることを阻止しようとしていること」が明らかとなっても、「驚くべきことではない」と述べた。

同紙は、いずれにしろ、少なくともコミュニケーションというレベルにおいて、トルコが単にチャンスだけではなく、危険をも含むこの段階で、「得うる最大限の利益を獲得した」とみなしている。

また、今日までオバマ大統領とエルドアン首相の間でなされた中東での協力という意思が単なる合意の宣言にとどまっていること、2009年にアメリカの指導者がイスタンブル、カイロと続けて行った、西側とイスラム世界の包括的対話の必要性についての会談が、単なる親善会談にすぎないとする同紙は、エルドアン首相がエジプトの事態に関し昨日行った会見は、「その射程範囲と影響がよくわからない」一種の干渉であると述べた。

同紙は、アメリカとトルコの間に今後形作られるであろう関係が、ワシントンによる政治的イスラムとの対話の意思と可能性に、そしてエルドアン首相の微妙なバランスをとる能力に光を当てるだろうとした。

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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:21334 )