トルコ、シリアと六つの計画実施へ
2011年02月06日付 Radikal 紙

エルドアン首相は、シリア・トルコ間にてこの先、六つの重要な計画が進められると公表した。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、トルコ・シリア間で建設されるアースィー川友好ダムの基礎工事の着工式典のためハタイで会見を行なった。式典のためにエルドアン首相は「OBA」ヘリコプターに乗りハタイへ赴き、(シリアの)ムハンマド・ナージー・オトリー首相は自国の国境境界内に降り立った。アースィー川に架かる小さな橋の上で対面した二人の首相は、その場で報道陣に向けてポーズをとった。その後ダムの基礎工事着工式典のために、二人はトルコの領土内へ向かった。市民が大きな関心を寄せた式典では、シリアとトルコの両国旗とともにエルドアン首相とバッシャール・アル=アサドシリア大統領の写真が掲げられた。厳戒態勢のとられた式典の会場周辺では、市民たちの関心ゆえに約7kmにわたって車両が連なった。

「今日この日をもってアースィー川は、われわれを分かち、われわれの間に国境線を描く川という姿から、われわれを引き合わせ、一つにする川へと変わる」と述べたエルドアン首相は、以下のように話した。

「8年前に政権を立てた瞬間から本日に至るまで、われわれは次のように述べてきた。『トルコは平和を望んでいる。トルコは中東の和平を望んでいる。トルコはこの地域すべての安定を望んでいる。共に繁栄することを望んでいる』と。われわれは8年前『隣国との問題解消』と言った。なぜならわれわれは次のことを心から信じているからだ。シリアが平和であれば、トルコも同じように平和であり、トルコが繁栄していれば、シリアも同じように繁栄していると。なぜならわれわれは、歴史を共有し、友愛を築いた民だからだ。歴史上ずっとわれわれの運命は常に一緒であり、常に一体だった。」

「ハタイからイスタンブルへ、同じようにエルサレムまでも一つの線上に、そしてシリアやレバノン、パレスチナの地にも一連の城跡がある。これらの城は約 1千年前にこの地を敵や十字軍から守るために建設された。こうしてわれわれ、そうこの地域のすべての人々が、千年前にこれらの城にて肩を並べて戦ったのだ。これらの城を守ること、この地を守ることを共に行なってきた。トルコ人やアラブ人、そしてこの地域のすべての民族たちは共に同じ前線で戦い、同じ前線で犠牲となり聖戦の戦士となった。十字軍との戦いのみでなく、その後千年にわたってこの地で力を合わせ、互いに兄弟となった。そうつまり、兄弟の間で問題などあってはならず、あったとしても解決される。そして兄弟の間に怒りもあってはならず、兄弟の間に地雷原もあってはならない」

■ 観光客の数は150%を超えた

「常に『家ではなく、隣人を選べ』ということわざがある(エルドアン首相はここでこの言葉のアラビア語も述べた)。そして今日、このわれわれの父祖の言葉の、そしてこのわれわれの文明の、積年の知恵を実施している。わが兄弟アサド大統領と、ナージー・オトリー首相とともに、トルコ・シリア間における人為の問題すべてを一つ一つ取り上げ、解決へ導いた。地雷原の除去を開始し、相互間の列車も開通した。そして相互間の観光や貿易も促進した。」

「シリアからトルコを訪れる観光客の数は、ビザが必要であった時代と比較して100%以上の100万人、トルコからシリアへの観光客の数も150%以上の 150万人に達した。もはやシリアもトルコも互いに利を手にしている。平和と友好、そして兄弟としての結束を手に入れたのだ。」

■ 電気も共同で使用されることになる

「シリアと2011年末までに六つの分野にて具体的な結果を達成するよう目標としている。これらの目標は、『ヌサイビン・カミシリ間共同税関所の建設』、『トルコ・シリア間における共同銀行の設置』、『ガーズィアンテプ・アレッポ間における高速列車の開通』、『2国間の天然ガス配管網の接続』、『トルコ・エキシム銀行のシリア政府ヘの融資』、そして『アースィー川における友好ダムの基礎工事着工』である。今日、これら六つの目標の内一つを実現させた。そしてこのダムが最短期間で建設されることを願っている。(このダムが)無事に建設されれば、ここで発電された電気を共同で使えるようになるだろう。両国の地に水を供給し、両国をともに防水対策をすることになるだろう。」

「歴史がわれわれに教え、また痛みを伴った経験とともに教示した貴重な教訓がある。われわれはすでに次のことをとても良く知っているし、見て、感じている。この地域ではいかなる国の課題も、いかなる国内問題も、一国の市民たちと同じくらい、この地域に住む他国の市民たちへも強い影響を及ぼすと。レバノンの問題は単にレバノンのものだけでなく、同時にわれわれの問題でもある。エジプトやチュニジア問題も、そこで暮らす兄弟たちだけの問題ではなく、われわれの問題でもあるのだ。」

「パレスチナの問題は、パレスチナ人だけのものではなく、少なくとも彼ら同様われわれの、そうトルコとシリア両国の問題であるのだ。ガザで家々に落ちた白燐弾が人々を粉々にするように、シリアの兄弟も、トルコの兄弟も心を砕かれているのだ。ガザで、エルサレムで、ナーブルスでそしてラマッラで、空腹やひもじさ、貧困、迫害、そして抑圧によって目を閉じ亡くなった子どもたちの誰もが、われわれの子どもであり、実の子どもなのだ。」

■ 信じてほしい、トルコはただ平和望んでいる

「みなさん、信じてほしい、トルコはこの地域においてただ、そうただ平和だけを望んでいる。トルコはこの地域における平和と安定、繁栄、そして発展をただ望んでいるだけなのだ。」

「この地域におけるすべての国々が、そしてすべての市民たちが、かつて同様に、今日においても繁栄と平和、兄弟愛、平穏、そして叡智の地であってほしい、と望んでいる。過去にそうであったように、未来においても世界の極星であるよう望んでいる。われわれはこれを友好の名の下、兄弟愛の名の下とともに、そして団結の名の下に望んでいる。」

「トルコ経済は8年間で3倍に成長し、世界の最も大きな国々の内17番目の経済大国となった。トルコとともにこの地域すべてが発展し、成長し、地域の繁栄が増すことをわれわれは望んでいる。足の引っ張り合いではなく、相互に扶助しよう。悪い思惑ではなく、善い思惑の中で競い合おう。互いを排除するためでなく、互いに支えとなるために戦おう。」

「8年間にわたるトルコ・シリア間の友好関係は、すべての地域にとって良い例となっている。基礎工事を着工したこのダムが、地域にとってだけでなく、全世界にとって範例となり、全世界に友好や兄弟愛、そして協力のメッセージを送る、と信じている。特に問題を抱えて過ごしている時期にこうした光景は、平和と兄弟愛のシンボルとなるだろう。私はこの日の生き証人となったが故に、この友好ダムの基礎工事をともに着工したが故に、アースィー川を互いに分かつ川ではなく、われわれを一つにする川へ変えたが故に、われわれ自身、そしてわが国の名の下、大きな高揚感を感じている。」

「シリアの兄弟たちも、そして偉大なるナージー・オトリー首相率いるすべての代表者たちもこの高揚感を共有していることがわかり、大きな喜びを感じている。友好ダムに幸あれ。このダムが、互いの友好と兄弟関係の印となるように。トルコとシリアの兄弟愛よ、永遠に。」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:21387 )