世界に広がる、トルコ語教育
2011年02月07日付 Zaman 紙

外交、文化、芸術、観光の分野でトルコ・ブームが巻き起こるなか、最近はトルコ語への関心も広がっている。30カ国でトルコ語やトルコ文学(トルコ学)の教育を統括するトルコ協力開発機構(TİKA)は、(急増する)ニーズに応じきれず、高等教育機構(YÖK)と提携することとなった。トルコ学部を開講予定の国外の諸大学は、トルコの大学と「姉妹校」となり、国内外のトルコ学部に同質な教育がもたらされることになる。

トルコの近年のめざましい外交、64カ国とのビザ廃止、企業家の海外投資、連続ドラマの海外輸出など、世界でトルコ語の重要が高まってきた。クウェートからカタール、エチオピアからスーダン、ペルーからキューバ、そして北朝鮮からインドに至るまで、およそ100カ国がトルコ語学習に名乗りを挙げた。現在30カ国でトルコ語とトルコ文学(トルコ学)の教育を統括しているトルコ協力開発機構(TİKA)は、(急増する)ニーズに応じきれず、高等教育機構(YÖK)と提携することとなった。トルコ学の専門家らは、大学でトルコ語学部の開講を希望する国からの申請を審査している。基準を満たした大学から、できるだけ早くトルコ語教育を開始する予定。トルコ協力開発機構(TİKA)と高等教育機構(YÖK)間の取り決めによると、トルコ学部の開講を希望する外国の諸大学とトルコの大学で「姉妹校」提携を行うことになる。外国の大学で開講されるトルコ学部では、トルコ国内のトルコ学部と同質な教育が行われる予定。

高等教育機構(YÖK)副会長のイェクタ・サラチ教授は、国外でトルコ語とトルコ文化に大きな関心が寄せられていると話す。これは、トルコの世界での影響力の高まりが理由であると述べるサラチ氏は、「国外の古参のトルコ学者に代わって、どの年代の人でもこのサービスを続けていけるようなひとつのシステムを造ろうと考えている」と話す。トルコ協力開発機構(TİKA)会長ムサ・クラクルカヤ教授は、トルコ語への関心が高まった最大の要因の一つは、トルコ人企業家が世界中で投資をしていることであると言い、「もはや、このめざましい投資のために、経済的理由で(外国人に)トルコ語学習を余儀なくさせている」と話す。
トルコ協力開発機構(TİKA)会長の言葉を裏付ける調査を行う国際的な調査会社、KPMGのトルコ・レポートには、以下の記述がある。「サバンジュ、コチ、ドウシュ、トゥルクセル、チャルクなど19の大企業の国外投資の合計額は310億ドルにもなる一方、これらの企業は進出した国で9万人を雇っている。」

発展目覚ましいトルコの連続ドラマ分野も、トルコ語需要増大の大きな一因である。ユヌス・エムレ協会のアリ・フアト・ビルカン教授は、トルコ語需要のある国々では映画ドラマ分野におけるトルコ語の必要性が特に高まっていると述べ、「ドラマを、字幕ではなくトルコ語で楽しみたい人達が日に日に増えています。例えば、ボスニアでは数年のうちに、最も影響力のある言語がトルコ語になるでしょう」と話した。

「狼たちの谷」「始まりのない時間」「あるイスタンブルの物語」「落葉」「メネクシェとハリル」「ゼルダ」といったドラマを含む70以上のドラマが、2010年に輸出新記録を出し、輸出金額は5千万ドルを超えた。
トルコ語学校とトルコ語オリンピックも、トルコ語の世界における影響力を確かなものにする重要な要素である。イェクタ・サラチ教授が「トルコ語需要の高まりに関して、世界の国々で根本的な基盤を作ったのはトルコ語学校である」と述べると、ビルカン教授はそれを次のような言葉でさらに補強している。「トルコ語学校の力によりトルコ語需要で増加している。特にトルコ語オリンピックによって、多くの国の若者たちの間でトルコ語の人気が上昇したのだ。」

【訳者注】 本記事が掲載されたザマン紙は、トルコのイスラム系右派高級紙ですが、その一方で、世界各地にトルコ学校を展開するフェトフュッラー・ギュレン系教団とも強い結び付きを持っていることで知られています。トルコ語オリンピックも関連団体が主催しています。本記事については、以上の背景を踏まえて理解する必要があります。

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( 翻訳者:木村納菜 )
( 記事ID:21393 )