イスラエル元駐エジプト大使ズヴィ・マゼル氏は、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領の辞任は、イスラエルにとって多くの懸念材料を含んでいると述べ「イスラエルは頭を悩ませています」と語った。
マゼル氏は、ニュースサイトYnetに対し、「終わりました。エジプトはすでに(地域の)スーパーパワーではありません」と話し、トルコとイランが発展する一方でエジプトが地域での地位を完全に失ったとした。
ズヴィ・マゼル氏は、ムバーラク大統領在位中はイスラエルの地域諸国との関係に空洞は存在しなかったと述べ、「今やわれわれは非常に頭を悩ませています」と話した。
イスラエルの懸念についても言及したマゼル氏は、イスラエルにとって多くの懸念材料が存在するとし、戦略的観点からイスラエルは現在敵対的な情勢に直面しており、実際的で穏健な国家運営する人物は存在しなくなってしまったと述べた。
同氏は、今後、エジプトで国会が解散させられ、新たに選挙が行われ、当然、野党もこの選挙への参加を望み、「ムスリム同胞団ももちろん行動に移るでしょう」と述べた。
ズヴィ・マゼル氏によれば、エジプトで新政府樹立には時間がかかり、新体制の始動には3年の期間を要するという。
マゼル氏はエジプトにおける軍事政権の意味についても言及し、「これは完全に新しい世界です…未知の世界です…」と述べ、軍事的プロセスは文民政権とは全く異なるものになるだろうと述べた。
イスラエル元駐エジプト大使は、将来のイスラエルとエジプトとの関係の行く末について推測することは困難であると述べた。エジプト軍最高評議会議長となったムハンマド・フセイン・タンタウィ将軍(75)が現在のところ「事実上の」トップであると述べ、「タンタウィは良いのですが、戦略的状況は我々がよく知らない勢力によっても形成されます。軍部はおそらく(イスラエルと)平和合意を継続するでしょう。しかし我々が現在予測することができないような展開も起こりうるでしょう」と語った。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:21457 )