イスタンブル・クルチアリー・モスクで火事―修復作業中
2011年02月11日付 Zaman 紙


ベイオールのトプハーネにある、歴史的建造物であるクルチアリーパシャ・モスクで、修復作業中に火災が発生した。この火災での死者や負傷者は出なかったが、モスクの近辺は一時騒然となった。消火活動が30分ほど続けられた結果、火は消し止められた。

火災は、15時20分頃に、トプハーネにあるクルチアリーパシャ・モスクで発生した。関係者によると、修復作業中に発生したこの火災の原因はいまだ不明である。モスクを囲んでいる木製の足場に燃え移った火は、塗料の影響も相まってすぐに拡大した。火は、モスク内にあるミフラーブと中央ドームを包んだ。火災発生時に修復作業を行っていた工事関係者は、モスクからすぐに避難した。火災現場には、ベイオール、シシュリ、ファーティフの各消防署から署員が駆けつけ、それぞれ消火活動に当たった。はしご車等を使った30分あまりの消火活動によって、火は消し止められた。この火災の発生でモスク周辺は騒然となった。負傷者に備えて、救急車も現場で待機した。また、立ち入り禁止のテープを周辺に張り巡らすなど、警察も現場の警備にあたった。

■ミーマール・シナンの作品

歴史的建造物であるこのモスクは、1580年から1587年の間に、クルチアリー海軍提督の命で、ミーマール・シナンが建設した。昨年からは、ワクフ庁とイスタンブル2010ヨーロッパ文化首都実行員会によって、修復作業が行われていた。クルチュアリーパシャ・モスクのウール・オズカン氏は、この作業中になんらかの原因で火災が発生したことも考えられるとし、「火は、足場から発生したことは分かっています。モスクの内部には、木製の足場が組んであり、塗料(ラッカー)も置いてあります。そこで恐らく漏電がおき、火災が発生したのではないかと考えています。この修復工事は、昨年開始され、5月から6月にかけて完了する予定でした。このモスクは、ミーマール・シナンの晩年の建造物であり、内部に霊廟などもあります。内部がこの火事でどれくらい損傷を受けているかは分かりませんが、大きな被害を受けたようには見えません。特に被害を受けているのは外壁のミフラーブ部分と拝廊部分です。モスクの内部はどうなっているかまだ確認できていませんが、被害がないことを祈ります」 と語った。

昼の礼拝を終えてモスクから出たときに、火が上がったのを目撃したある市民は、「火が上がったのを、言葉の喋れないある女性が発見しました。彼女は私達に何か伝えようとしていました。走って、燃えているモスクへ向かいました。モスクでは避難活動が行われていました。火が出ていました。消防士が来た後も、煙はどんどん上がっていました。辺りに悲鳴が上がっていました。工事関係者がモスクの外へ出て、消防士と救急車が来て、消火活動が行われ、火が消し止められました」と語っている。

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( 翻訳者:沓澤実紗子 )
( 記事ID:21458 )