ムバーラク辞任へトルコの反応―ダヴトオール外相Twitter発言、ならびに首相府声明
2011年02月11日付 Radikal 紙


ダヴトオール外相は、Twitterを通じ、次のメッセージを発表した。

ダヴトオール外相、「兄弟であり友人であるエジプト民衆にとって、またアラブ社会にとって、さらには、地域全体にとって、今日の展開は歴史的。」

ムバーラク大統領の辞任を「兄弟であり友人であるエジプト民衆にとって、またアラブ社会にとって、さらには、地域全体にとって、歴史的な出来事」と評したダヴトオール外相は、「これは、指導者の交代と言う意味で、歴史的なのではない。重要なのは、エジプトの民衆が、明確な政治的自覚をもって15日間、暴力に訴えることなく要求を表明し、この要求が最終的に政権へ待望の変化を起こさせたことだ」と述べた。

ダヴトオール外相は、次のように続けた。

「これは、次の点からみて歴史的といえる。中東地域では多くの社会的運動があったが、社会的運動が成果を得たと言う点では初めてのことである。大衆が参加し、民衆の共通の意思、共通の感情を映し出す平和的な行動が、IT技術をも駆使し、権威主義的な政治構造に終止符を打った。これが、兄弟であり友人であるエジプト民衆に、また地域全体にとって幸せをもたらすものとなることを祈っている。(この出来事が)我々が恐れるマイナスのドミノ現象ではなく、プラスのドミノ現象をもたらし、他の展開も同様な形で進展し、中東に、堅固な法の支配に基づく政治的構造をもつ、待望の安定した、平安な、平和的な環境がもたらされることを期待したい。」

ダヴトオール外相は、トルコは、チュニジアでの運動が始まったとき以来、こうした運動が正当で法に基づく正しい要求であり、これらが真摯に検討される必要があると強調してきたと述べ、次のように述べた。

「エジプトでの事態が進むなかで、我々はこの点を再び強調した。エルドアン首相は、この問題について、中東や世界のリーダーの中でもっとも明確な形で自らの立場を表明する演説を行った。我々の、すなわち首相の、そして我々外務省の願いは、兄弟であり友人である隣国に干渉することでも、内政に口をだすことでもなかった。その反対に、我々の願いは、友人であり兄弟であるエジプトが、強力な民衆の支持をえて、より強力な形で再建されることに貢献することだった。この展開は肯定的に評価されるべきだと思う。(負のドミノ現象に続く)二つ目の心配も、ある意味で解消された。なぜなら、皆の心配は、このあとにカオスが現れるということだった。全権が軍事評議会に暫定的に移行されたことは、エジプト軍がこの展開のなかで示してきた態度からみれば、正しい選択だといえよう。」

■「我々は前向き、かつまた楽天的に見ている」

ダヴトオール外相は、エジプトとトルコは(19世紀以来の)近代化の時代に同じ体験してきたとのべ、「エジプトとトルコは、多くの点で互いに影響を与えあってきた国である。エジプトには強力な国家機構が存在する。その筆頭には軍がある。エジプト軍は国民軍という性格をもつ。今待たれていることは、エジプト軍が、秩序ある移行措置をふみ、政権委譲を保証するロードマップを、エジプト民衆の希望にそって実現することである。我々の望みは、エジプト民衆の要求が実現され、最短時間で、エジプトに民主的な構造が生まれることだ。最短時間とは、政治的組織化を可能にする時間的余裕をもって選挙法を見直し、政党の政治参加を保証する期間を担保しつつ、そのもっとも早い時期にと言う意味だ。エジプトは、共和制によって民主主義を勝ちえた国である。共和制の伝統は根付いている。民主主義によってエジプトが祝福されることは、この地域に安定をもたらすだろう。我々は、この点で前向きな見方をしており、同時に楽観視している。」

■エジプトで、安定した強固な民主主義がつくられなくてはならない

ダヴトオール外相は、そのためには、次の3点が重要だと語る。

「第1に、政府と社会秩序の安定性が保証されねばならない。エジプトで、カオスが生まれ人命がうしなわれるような事態が発生することは容認できない。人命が失われるようなことがあれば、それは我々にとっても重要である。エジプトは、我々にとって大事な友人だ。第2には、民衆の要求が実現されなければならない。変革により、エジプトに安定した強固な民主主義が建設されねばならない。これまで、「安定」を理由に多くのことが犠牲にされてきた。この民主的な要求が実現されることに関し、希望は大きい。第3には、民主主義の建設にあたっては、人々が目で追えるような、透明で、国際社会も監視できるロードマップが提示されることが必要だ。

政府は存続し、政治的構造は法にもとづいて変わり、そして民衆の要求にこたえる。こうした原則が実現されれば、エジプトは、国際社会、そして中東地域において、より強力な形で、あるべき地位を得るだろうと考えている。

我々は、平和的な行動と運動で、この変化を勝ち取ったエジプトの人々を祝福する。人々の明確な意思が、将来、エジプトをより強い国とするだろう。」

ホスニー・ムバーラクエジプト大統領の辞任をうけ、ダヴトオール外相は、「エジプトの人々よ、おめでとう。エジプト民衆は、忍耐強い行動で自らの希望を表明した。今後、民衆の要望にこたえる新システムが建設されることを願う」と述べた。

■首相府より声明

トルコ首相府は声明を発表し、そのなかで「政権を移譲されたエジプト軍高等評議会が、良識的で、穏健な手法により、公正で自由な選挙により構成されるであろう新政権へ、最短期間で権限をひきわたし、エジプト民衆の意思によりつくられる憲法にもとづく民主主義的体制に移行することを期待する」という表現が用いられた。

首相府報道センターからの発表は、エジプトのオメル・スレイマン副首相が、今夕、ホスニ―・ムバーラク大統領がその職を辞し、国政の権限を軍の最高評議会に譲ったことを発表したことに言及した。声明では、次のように述べられた。

「トルコは、エジプトでの大衆デモが始まって以来、我々の兄弟であるエジプト民衆の、民主主義と自由に向けた正当な要望を支持してきた。これは、エジプトが、多数決に基づく、安定した、人権を擁護する秩序へと、平穏に移行することを願うという立場を表明したものである。政権を移譲されたエジプト軍高等評議会が、良識的で、穏健な手法により、公正で自由な選挙により構成されるであろう新政権へ、最短期間で権限をひきわたし、エジプト民衆の意思によりつくられる憲法にもとづく民主主義的体制に移行することを期待する。堅固な国家の伝統をもつエジプトが、今回の出来事ののち、より強い国家となることを信じている。エジプトが、このプロセスで、経済的に困窮に直面したり、その他の問題に遭遇しないよう、国際社会は最大限の努力をしなくてはならない。トルコは、これまで同様、今後も、友好国であるエジプトと、我々の兄弟であるエジプト民衆の側に立ち続ける。」

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:21461 )