保健相、人口減少に警告
2011年02月10日付 Jam-e Jam 紙

10組の夫婦に対し子供は18人:各家庭における子供の数の平均は2人以下

 イラン暦60年代〔西暦1981年〜1991年〕、「子供は2人で十分」というスローガンのもと、イランでは人口抑制策が大々的に開始された。しかし20年以上たった今、このスローガンは「子供は少なくとも2人」というものに変わりつつある。

 保健相はイラン国内の人口増加率の変化に関して、ヨーロッパ諸国では人口のマイナス成長が起こり、「人口危機」に直面していると指摘した上で、本紙に対し以下のように述べた。「現在のところ、我が国では多くの夫婦が子供を持たない、あるいは持っても1人、という状況にある。このままの状態が続けば、人口危機に陥り、人口のマイナス成長を阻止することもままならなくなるだろう」。

 子供は一人で十分という家族に対し、同相は「一人っ子は家庭問題を引き起こす元となりうる。例えば、兄弟がいない一人っ子の子供たちは、独りで家にいることが多いため、特定の問題を抱えることになる。少なくとも子供を2人持つことで、こういった家庭内での心配事を軽減することができる」と勧告した。

 こうした発言の背景には、マフムード・アフマディーネジャード大統領がここ数ヶ月間、人口抑制策に幾度となく反対の立場を強く表明し、「子供は2人で十分」というスローガンは「一国家の滅亡」を導くものだと指摘したことが挙げられる。

 大統領によれば、人口抑制策が続けられた場合、イランの各世帯における平均世帯人数が4人を切っていることに照らすならば、50年後にはイラン民族の子孫はこの世に存在しなくなってしまう、というのだ。

 アフマディーネジャード大統領は、世帯人数を調整することが社会の福祉強化〔‥‥〕につながると捉えている人たちに対し、次のように強調している。「貧困は不正義、機会の不公正な配分から生じるものであり、子供が多いことに起因するものではない。神もコーランの中でこう仰っている。〈貧困が怖ければ、結婚しなさい〉、と」。

 イランにおける人口増加率を監督しているのは統計局で、10年に一度の国勢調査を実施し、それにもとづいて過去10年間の人口増加率の平均値を発表している。イランにおける人口増加率は、75年〜85年〔1996年〜2006年〕が1.61%であったのに対し、88年〔2009年〕は1.3%だったと発表されている。

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( 翻訳者:加藤祐大 )
( 記事ID:21506 )