モロッコ政府「マグリブ連合が機能していれば、チュニジアの事態は起きなかった」
2011年02月16日付 al-Hayat 紙

■ モロッコ:「マグリブ連合が機能していれば、チュニジアの事態は起きなかった」

2011年02月16日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)

【ラバト:ムハンマド・アル=アシュハブ】

 モロッコのアル=タイイブ・アル=ファースィー・アル=ファフリー外相は、チュニジアのザイヌルアービディーン・ベン・アリー前大統領の体制を崩壊させた出来事について、マグリブ連合が機能していないことに原因があったと述べ、同連合は(混乱を食い止める)安全弁になり得た筈だと語った。同外相は「我々はマグリブの連合が達成されないことによるツケを日々支払っている」「もしマグリブ連合が機能していればチュニジアの事態は起こらなかっただろう」と説明し、停滞しているこの連合体について、北アフリカ地域の経済的統合や資源・エネルギーの相互補完を実現するために必要不可欠であるとの見方を示した。

 アル=ファースィー・アル=ファフリー外相は、サハラ紛争解決のためにモロッコ政府が提案している自治政府案に言及し、アルジェリアとポリサリオ戦線を「モロッコの立場を妨害している」と非難し、「両者とも現状の存続を望んで」いることが紛争解決にあたって国連が直面している真のジレンマであると述べた。またファフリー外相は「アルジェリアとポリサリオ戦線にとっては、今の状態を存続させることで利益が得られる」として、それは「現状を好都合とする『イスラーム・マグリブのアル=カーイダ』の利益にもつながっている」と語るとともに、「ティンドゥーフ県内の難民キャンプ住民の人権」を尊重して新たな1頁を開き「未来を築いて」ゆこうと呼びかけた。そして、アルジェリア・モロッコの間に直接のやりとりはないものの、モロッコ政府閣僚がアルジェリアを訪問して閣僚らと会談を行う意向があることを明らかにした。行われる協議の性質については明かさなかったが、通常と変わらぬ内容のものになると見られる。しかしファフリー外相は両国間の国境閉鎖については反対し、現在の状況はどんな激しい地域紛争の中でも例外的だと強調した。

 ファフリー氏は自治政府案こそ「サハラ紛争を終結させるための唯一の解決策」であると述べ、何故なら同案はこれは住民の意思を反映する民主主義的な原則に基づくものであり、地域の安定を保証するための「政治的、経済的、さらに安全保障上の条件を満たすものだからだ」と請け負った。そして状況の発展は、各県に地方行政に関してより広範な権限を与える大規模地方行政計画を実行に移すモロッコ政府の決意にかかっていると表明した。

(後略)

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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:21548 )