護憲評議会書記、暴動の首謀者たちは自宅軟禁にすべしと提案
2011年02月19日付 Mardomsalari 紙

昨日、テヘランの金曜礼拝で演説を行ったジャンナティー氏は、多くの人々が暴動の首謀者たちの逮捕を望んでいると指摘したうえで、司法権はこの件について、国益に配慮した措置を考えるべきだと強調し、暴動の首謀者たちを自宅軟禁にすることを提案した。

 イラン学生通信(ISNA)の報道によれば、アーヤトッラー・アフマド・ジャンナティーは今週のテヘラン金曜礼拝での説教の中で、このように述べた上で、「司法権が実行できる、また司法権もそれを考慮中であろうと思われる措置とは、彼ら〔=暴動の首謀者たち、つまりムーサヴィーやキャッルービー〕と国民一般とのつながりを断つことである。自宅に閉じ込められ、行動は制限され、メッセージを発することもできなれば、それを受け取ることもできない、電話やインターネットは遮断されて、自宅に監禁される、そういった状態に彼らは置かれる必要がある」と述べた。

 テヘラン臨時金曜礼拝導師は、こうした人々〔=ムーサヴィーやキャッルービー〕に向けて、「国家が目覚ましい発展をとげ、科学技術が飛躍し、原子力エネルギーを我が物とし、大変素晴らしい未来を世界と人々に提供し、〔…〕政府は日夜働いているという、まさにこの時に、急にエジプト支持〔のデモ〕を思いついただと?いまいましい〔※〕」と吐き捨てた。
〔※現政権の正当性を認めないムーサヴィーらが、ムバーラク政権を打倒したエジプト国民を支持するデモを行い、それをテコに現政権批判の運動につなげようとしたことを指す〕

 ジャンナティー氏は、こうした行動が虚偽と偽善、欺瞞にすぎないということくらい、誰でも知っていると指摘した上で、「〔…〕この〔=イランの〕民衆はお前たちのことを快く思っていないということ、お前たちのことを蛇蝎のごとく嫌っているということが分からないのか。お前たちの命脈はすでに尽きている。民衆が処刑を要求した連中は、すでに処刑され、社会で地位も名誉も失っているのだ〔=だから観念して、家でおとなしくしていろ〕」と述べた。

 同氏は続けて、エジプト人民の勝利、そして最近の中東情勢について触れ、イエメンやバーレーンなど一部の国々で行われた、抗議者への取り締まりを批判して、「自国民を殺し、鎖につなぎ、怪我を負わせることが正しいことと言えるだろうか」と述べた。

 護憲評議会書記は、エジプト人民の蜂起はイラン・イスラーム革命にならったものであるとみなし、「30年間にわたり一人の独裁者がエジプトを支配し、同国はイスラエルのカネでシオニズム体制とアメリカの手駒となってしまった。しかし〔…〕最後には、エジプト人民、特に若者が闘いに参加し〔独裁者を打ち倒し〕た〔…〕」と指摘した。

 ジャンナティー氏は、我々はエジプト問題に関して、懸念とともに、伝えたいメッセージも持っていると述べ、「我々の懸念とは、彼ら〔=エジプト国民〕が〔自国の指導者の〕クビをすげ替えただけになってしまうことである。ムバーラクが去るべき人物であったにもかかわらず、アメリカはこのことを理解せず、最後の瞬間までどっちつかずの立場をとったことは確かだ。しかし彼らは今、〔指導者の〕クビをすげ替え、親米的な別の手駒に変えてしまおうと企てているのだ〔…〕」と明言した。

 同氏はまた「エジプトのウラマーたちは、行動を起こし前に進み出る必要があるが、残念なことに現在は後ろの方で控えたままだ。この国〔=イラン〕では、リーダーシップはウラマーの専売特許だった。実際、イマーム・ホメイニーはこの〔イランの〕民衆が従うべき拠り所(マルジャエ・タグリード)であった。エジプトのウラマーたちも、それゆえ〔指導的立場につくことができるよう〕努力しなければならない〔…〕」と続けた。

〔後略〕

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:松村すみれ )
( 記事ID:21627 )