北イラクで騒乱、アラブ系部隊vsクルド陣営
2011年02月26日付 Radikal 紙


キルクークのクルド人集住地域であるハウィージャ・ジェレウレ両郡で昨日(25日)金曜礼拝の後武器を持った約300人のアラブ人が公的な建物に火を放ちキルクーク市街地に向かって行進した。これに対し4部隊からなるアルビールの特殊訓練を受けたゼレヴァニ・ペシュメルガ(クルド人民兵組織)がキルクークを包囲した。

北イラクのスレイマニエで2月17日に始まった抗議デモは未だ続いている。改革運動を主導する地域クルド政府への抗議デモで今日(26日)、爆弾が爆発し2人のデモ隊メンバーが死亡した。この爆弾が誰によって置かれたものかは未だ明らかになっていない。

キルクークで昨日(25日)クルド人とアラブ人の間で起こった緊張状態は継続している。キルクークのクルド人集住地区であるハウィージャ郡で昨日、金曜礼拝が終了した際約300人のバアス党支持者の武装グループが処刑されたサダム・フセインの写真を手にデモ活動を行った後、クルド人の家や政府機関を襲撃していくつかの建物に火を放った。

ハウィージャ郡では治安部隊の発砲により3人が死亡、20人が負傷した一方、アラブのシェフワ部族に属するとされるいくつかの武装グループもジェレウレ地域でクルド人に反対するスローガンを掲げてイラク・クルド民主党(IKDP)の建物を襲撃し、クルド人家族を郡から追いだそうと脅した。キルクークに駐屯するペシュメルゲ部隊がジェレウレ郡に派遣された一方、約30台の車からなる武装グループがキルクークに向かったという情報に対しクルド政府の指示によりアルビールから特殊訓練を受けたゼレヴァニ・ペシュメルゲ4部隊がキルクークに派遣された。

キルクーク治安部隊によって武装したアラブ人のグループに対し検問がしかれ、アルビールからキルクークに到着した約1万人のペシュメルゲ部隊も町の四方から包囲した。IKDP支持者のwebサイトPeyamnerにコメントを寄せたハウィージャの警察署長セルハド・カドゥル氏は、ハウィージャから出発した車30台の武装車集団がキルクークでのテロ攻撃を目的にしており、キルクーク警察がハウィージャの検問所近辺でグループを止めイラク軍の物である多くの戦車や武器を押収したと述べた。

■トルクメン:関与していない

キルクークのクルド人が集住する町や諸地域を守るペシュメルガは衝突の可能性に備え完全武装した。キルクークに集まった一部の武装したアラブ人は、クルド人が少数派である地域を制圧しようとし、クルド人がキルクークから退去するため圧力をかけることが提案された。

イラク・トルクメン前線党は会見を行いクルド民衆と共通の歴史を持っており、このデモには関与しておらず、今後も関わらないと述べた。キルクークおよび各郡での衝突の可能性に備えゲルミヤン地域のクルド人からなるイラク軍に属する部隊もキルクークのジェレウレ、サディエ、カラテペの各村に向かって出発したという。
昨夜急遽キルクークに向かったクルド地域ペシュメルゲのリーダー、シャイフ・ムスタファ氏は、ペシュメルゲ部隊がキルクーク県の要請を受けてこの町にやってきたこと、町の外を包囲しているだけであることを述べた。

■キルクークのクルド人が武装

地元で得られた情報によると、キルクークおよび県下のいくつかの郡のアラブ人が武装してデモを行ったことに対しキルクーク市街地に暮らすクルド人たちが急遽武装し家や職場を保護し、衝突の可能性に備えたという。

現地の情報によると、北イラク地域でデモが広がりペシュメルゲ隊がこの地域に派遣されたことが注目され、アラブ人によってこのような活動が実行されたと述べられた。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:21645 )