■サウジがリビアの石油輸出不足を補填、石油価格後退へ
2011年03月01日付『アル=ハヤート』
【アル=ホバル(サウジ)、テヘラン、パリ、北京、上海、ブリュッセル:本紙、ロイター通信、AFP通信】
世界の原油市場での高まる需要にサウジアラビアが応えた結果、昨日は石油価格が若干の後退を見せた。この需要増の背景には現在リビアで発生している民衆革命を原因とした同国での石油生産・輸出の停止がある。ブレント石油価格指標は1バレル114ドルから112.11ドルへ、米国産軽質原油価格は1ポイント安の1バレル97.87ドルへ反落した。オマーンでのデモ情報を受けて、ブレント指標は1.54ドル高の1バレル113.68ドルに、アメリカ軽原油指標は1.10ドル高の98.98ドルに上昇していた。
アル=ホバルでは「サウジ・アラムコ」社長兼最高経営責任者のハーリド・アル=ファーリハ氏が「リビアの輸出停止に伴う追加的石油需要に対応した」と述べ、「わが社は顧客からのいかなる要求にも対応した。顧客に確認してもらえば、対応が早急に為された事がわかる」とした。また「数値は継続的に変化しているので特定の数字を提出する事は出来ない」と述べた。石油産業界の情報筋は先週の金曜日、「世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアの生産量は、日量830万バレルだった1月に比べ、日量900万バレル以上に上昇している」と伝えていた。
同時にリビアの石油輸出再開が近いとの報道も出ており、ウォールストリートジャーナル紙は、反体制派が大部分を掌握したリビア東部にある石油開発生産会社アラビアン・ガルフ(AGOCO)の責任者の発言として「石油出荷は再開間近だ」と報じた。同社経営会議のメンバーであるハサン・ブーリーファ氏が同紙に対し、「70万バレルを積載した石油タンカーが、おそらく中国に向けて、リビア北東部のトブルク港を日曜夜から月曜の未明に出港するだろう」と述べたのだ。上海では中国国営石油会社が、リビアでの生産を停止し、全ての従業員を出勤停止したとして、「リビアでの生産活動の休止及び石油装置の活動停止は適切な時に整然と行われた」と発表している。
また北京の石油貿易筋が昨日伝えたところによると、石油精製でアジア最大規模を誇る「中国石油化工集団公司(シノペック)」の商社部門「ユニペック」は、リビア産石油の供給停止の穴を埋めるためにサウジ産原油を供給するというサウジ・アラムコからのオファー受け入れを今のところ断っているという。同筋によれば、中国企業はリビアからの供給分を補填するために原油購入を増やすつもりはなく、「シノペックは全体として、原油不足の状態にはない。我々は自前の精油所で低・高硫黄燃料の質量を修正する能力を有している」との事だ。同様に「ペトロチャイナ」の親会社である「中国石油天然気集団公司(CNPC)」もリビアでの生産活動を停止し、391人全ての中国人従業員が国外退避したと発表した。
(後略)
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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:21669 )