メルスィンで驚愕の家族内殺人―19歳の少女、家族11名が殺害
2011年03月01日付 Milliyet 紙

19歳の娘が、実の兄によって40カ所も体を刺されて殺害された。彼女の遺体は引き取り手がいなかったが、区長を含む50名の女性達が遺体を遺体安置所から引き取り埋葬した。

メルスィンで昨日の昼頃に刺殺された19歳のハティジェ・フラトが、恐ろしい因習殺人の被害者であることが明らかとなった。家族会議の結果殺人を実行したとの容疑がかけられている実の兄マフスン・フラト(20歳)が行方をくらましている一方、彼らの父母、姉を含めた11名が警察の監視下に入った。因習殺人の犠牲となった娘の遺体を他の家族や近親者が引き取ることを拒否したため、彼女が住んでいた街区の区長と近所の女性達によって遺体が死体安置所から引き取られ埋葬された。

メジトリ郡のヴィランシェヒルの海岸において、海にそそぐ河口で、昨日の昼頃、喉が切り裂かれたうえに、体中約40箇所の刺し傷が見つかった若い女性の遺体が発見された。メルスィン大学医学部付属病院の死体安置所で行われた検死と身元確認作業の結果、2月3日にギュネシュ地区の家から「雑貨屋に行ってくる」と言って出かけ、そして翌日にシテレル警察署に彼女の家族によって捜索願が出されていたハティジェ・フラトであることが判明した。

■ 兄に妹の居場所を教えた

事件の捜査を進めている殺人捜査班は重要な手がかりを得た。行われた捜査の結果、娘が殺される前日にメジトリ郡で歩いているのを、現在失踪している兄のマフスン・フラトの友人によって目撃されていた。匿名のこの人物はこのために友人である兄に連絡し、「君の妹が今メジトリ郡にいる」との情報を与えた。兄は「妹を追ってくれ。決して見失わないでくれ、今行くから」と言った。そしてすぐにメジトリ郡に来た兄は、探していた妹を落ち着かせ、妹の居場所を教えてくれた友人と三人で一緒にレストランで食事をした。娘は現状を話し、恋人と逃げていること、そして幸せであることを主張した。兄のマフスン・フラトはといえば、食事中は楽しく談笑し、妹に理解を示し、住んでいる家のことはだれにも話さないと約束し妹の信頼を得ることに成功した。このため娘は、兄とその友人とを現在住んでいる家に連れて行き、住所を教えてしまった。家には暫く滞在し、チャイを飲んだ後で、マフスン・フラトは妹にキスをし、さよならを言って友人と一緒に家を出た。

■ 家族会議の決定

情報によると、恋人と逃げていることを知った兄のマフスン・フラトは、このことを家族に知らせた。これにより、元々はムシュ出身者である彼女の家族は緊急に集まって話し合いを行い、ハティジェ・フラトに死の決定が下った。情報によれば、家族会議の決定により妹を殺す役割を任されたマフスン・フラトは、月曜日の昼頃妹の家を訪問した。ハティジェ・フラトは、恋人が家にいない隙に、兄から「一緒に海岸を散策しよう」と誘われた。そして兄と妹は一緒に家を出て行った。しばらく後、ヴィランシェヒルの海岸地区で海にそそぐ河口で、喉を切られ、体を約40カ所刺されたハティジェ・フラトの遺体が発見された。

■ 11名が警察の監視下に

捜査を進めた警察は、娘の父親で建設作業員のルトフィ・フラト(48歳)、母親で主婦のサキネ・フラト(47歳)、姉のセムラ・フラト(21歳)、娘が命の安全を理由に名前を秘密にし続けた恋人、ならびに娘の近親者を含めた11名を監視下においた。監視下に入った者達の取り調べが続く一方で、警察は家族会議の決定によって殺人を行った後、消息を絶っている兄のマフスン・フラトの行方を追っている。

■ 家族が放置した遺体を50名の女性達が引き取る

この間、ハティジェ・フラトの遺体を、警察の監視下に入っていない家族が誰も受け取らなかったので、安置されていた遺体は、ギュネシュ街区のベディルハン・アドゥヤマン区長とこの地区の約50名の女性達によって引き取られた。病院に来た女性達は、遺体を引き取り、しばらくの間肩に担いで運ばれる棺を彼女たちは拍手とともに全員で迎えた。そして厳しい口調で「我々は、だれか他人の名誉のための存在にはなるつもりはない」、「女性の(因習)殺人に終わりを」、「女性が手を掛けられる(殺される)ことがなくなるように」というスローガンを叫んだ。救急車に乗せられた娘の遺体は、ギュネイケント墓地に運ばれて埋葬された。事件に関わる捜査を共和国検察局と殺人捜査班が協力して行っている。

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( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:21674 )