修士号、国会議員の条件に:内務次官「法案可決は国民の選挙参加にも悪影響」
2011年03月03日付 Jam-e Jam 紙

国会は国会選挙法改正案の詳細を審議し、今後、学士号しか持たぬ者には国会選挙への立候補資格を認めず、修士号以上の学歴を持つ者、あるいはそれに相当し、最低5年間、行政・教育・研究分野で管理職を務めた経験がある者にのみ立候補資格を認める案を可決した。

 ジャーメ・ジャム記者の報告によると、国会は昨日、1378年〔西暦1999年〕に可決された国会選挙法の二種緊急改正法案の詳細を審議した。しかし、この審議を始める前、問題の重要性から、多くの国会議員らはこの二種緊急法案の内容は違憲ではないかとの申し入れを行った。

 モハンマド・レザー・ハッバーズ議員(カーシュマル選出)、サッタール・ヘダーヤトハーフ議員(ブーイェルアフマド及びダナー選出)、ならびにカーゼム・ジァラーリー議員(シャーフルード選出)らは、憲法第3条に言及して、こうした法案は被選挙人及び選挙人から選挙の権利を奪うものだと強調した。
〔※訳註:憲法第3条はその第8項において、人民主権が謳われている〕

 彼らはまた、国民の約9%しか修士号を持っていないと指摘し、この法案は91%の国民に対して立候補の機会を阻むものだとも強調した。

 しかし、モハンマド・ハサン・アブートラービーファルド国会副議長は、この申し入れを妥当とは認めず、この改正案の提出に許可を与えた。続いて国会議員らはこの二種緊急法案の詳細の審議に入り、同法案に対する賛否を表明した。

〔‥‥〕

 ソウラト・モルタザヴィー内務次官はこの法案に反対して、「国会議員選挙への立候補に新たな条件を認めることは、選挙への一般国民の参加に悪影響を与えてしまうだろう」と語った。

 同次官はまた、「修士号を持っている者の方が、学士号しか持たずに国会議員になった者よりも能力が高いとか、修士号保有者は国民への奉仕により多くの時間を割いているとかいったことについて、これまで調査したことのある関係機関など、どこにあるのしょうか」と疑問を呈した。

 同氏はまた、「聖なる防衛〔=イラン・イラク戦争〕の時代に苦労をし、大学を退学し、自らの命をこの国のために犠牲にしてきた人たちの多くには、学位などないのです」とも訴えた。

 国会議員らはこの法案に対する賛否両論を聞き、また多くの申し入れや提案などを行った後、最終的にモハンマド・マフディー・モファッタフ議員(ラザン選出)の提案によって、この法案の投票を行い、出席した196議員中、賛成142票、反対23票、棄権19票で、同法案を可決した。これにより今後、修士号をもつか、あるいはそれに相当し、最低5年間、行政・教育・研究分野で管理職を務めた経験があることが、国会議員選挙への立候補の必須条件となった。
〔※訳註:投票総数は184で、出席した196議員と数が合わないが、差の「12」は出席したものの投票には参加しなかった(棄権するというかたちで参加することもなく、途中退席したなど)議員の数だと思われる〕

 この決定後、一部の国会議員らはこれに抗議して、国会運営理事らがいる場所に詰め寄る場面もあった。このため、〔‥‥〕モハンマド・ハサン・アブートラービーファルド国会副議長は「次回の公開会議で、この議題の続きについて審議を行う」との見通しを語ることを余儀なくされた。

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( 翻訳者:渡部智士 )
( 記事ID:21798 )