日本車のトルコ到着、遅れる見込み―地震で打撃
2011年03月14日付 Zaman 紙

地震は、「世界の巨人」日本の自動車工場をも直撃した。多くの自動車工場が操業を停止せざるを得ない状況となった。日本車メーカーのトルコの販売会社によると、輸入に支障や遅延が生じる可能性があるという。自動車関連の部品産業が被った損失はさらに深刻である。

日本における史上最大の地震は、日本のみならず世界経済にもさまざまな影響を与えた。中でも株式市場や為替相場に与えた影響は、今日さらに明確になるだろう。実体経済を見ると、最も大きな影響を受けた産業の一つは自動車産業である。何千台もの自動車が水と共に押し流されている写真は、被災地域における状況を最もよく伝えている。日本は中国に次いで世界第二位の自動車生産国であるが、津波の影響を受けた地域に存在する多くの工場が操業を停止した。自動車部門において世界を舞台に活躍するトヨタ、ホンダ、日産、スバルは、日本国内の工場の稼働を休止し、生産を中断した。被災地域の工場の復旧には、長い時間がかかるだろう。

トヨタの発表によると、ヤリス・セダン、サイオン(Scion)・xB 、サイオン・xDの生産を行っている2つの組立工場の生産を中断。また「日本の巨人(トヨタ)」は部品を製造する1工場の稼働も休止した。日産は、4工場で操業を停止。日産の2工場の敷地内に並んでいた2,000台以上の自動車は、津波の犠牲になった。ホンダは狭山、栃木、浜松にある工場の生産を中断。これらの工場はアコード、CR-V、アキュラを生産していた。また、地震によってホンダの従業員1名が亡くなった。スバルの広報担当マツモトケンタ氏は、5工場で生産を中断したと発表した。

スウェーデンの世界最大の大型トラック生産メーカーであるボルボ・トラックス(Volvo Trucks)も、地震が発生した仙台での操業を停止した。この工場には13,000人が勤務していた。自動車メーカーに加え、部品業界も地震により大きな被害を受けた。トヨタ最大の生産子会社であるトヨタ紡織株式会社と株式会社デンソーは、地震で被害を受けたためもはや生産を続行できないと発表した。日本自動車メーカーは、ヨーロッパで販売する車の大部分を現地で生産しているが、特にアメリカ向け輸出において障害が生じることが予想されている。

トルコ市場には、すべての日本車メーカーが参入している。トルコに進出しているメーカーで、シェアトップを誇るのはトヨタ、日産、ホンダ、三菱がこれに続く。日本国内の工場の操業停止は、トルコ市場の11~15%を日本車が占める状況にどのような影響を与えるのだろうか?トヨタ・トルコ社のCEOアリ・ハイダル・ボズクルト氏は、トルコに輸出されているモデルの生産工場に問題は生じていないが、部品工場が大きな被害を受け、これが生産に悪影響を与えるだろうと述べた。またボズクルト氏は、生産子会社が受けた被害や、現状により何に障害が生じうるかということを把握しようと努めていると語った。

日産・トルコ社のイルキム・サンジャクタルオール副社長は、日産は損害の把握のために動き始めたと話し、中期的に地震の悪影響を受けるだろうと述べた。またサンジャクタルオール氏は、「日本からピックアップトラックのモデルとエクストレイル(X-TRAIL)を輸入している。地震のために工場での生産が停止した。このため需要分の自動車を仕入れることはできないだろう。目標を達成することはできない」と語った。サンジャクタルオール氏は、同社は昨年ナバラとピックアップモデルによって1,000台を売り上げ、今年はそれ以上を目標としていたと付け加えた。ホンダ・トルコ社のマーケティング部長であるジャン・エロスカイ氏は、トルコでシビックが生産されていることに言及しつつ、CR-Vをイギリスから仕入れていること、しかしアコードの生産工場は操業を停止していること、これにより中期的に悪影響を受けるであろうことを説明した。

マツダ・トルコ社のヌルカン・ユルダクル社長は、同社の日本国内の工場は被災地域から離れており、災害の影響を受けなかったと発表。また、港が閉鎖されているため物流に障害が生じるだろうと述べた。

一方、スズキ・トルコ社取締役のアリ・サヴジュ氏は、浜松工場の生産は継続されると述べた。サヴジュ氏によると、トルコで販売されているモデルの大部分はハンガリーから仕入れられている。スバル及び横浜ゴム・トルコ社のトロス・カルダシュ社長は、日本国内の工場と事業所に深刻な損害はなかったと述べた。

<後略>

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:21818 )