■チュニジア、エジプト、最後にリビア
トルコは大国であることを示した。国内で混乱が起き、深刻な危機的状況のこれらの国々にいるトルコ国民を、大規模な作戦によって救出した。
民間機、軍用機、船舶が次々に動員され、北アフリカ地域で命の危機にさらされたトルコ国民が救出された。
引き続き、今度は日本で地震、津波の災害が起こった。そして最終的には原子炉における放射能漏れによって、日本にいるトルコ人らが放射性物質にさらされる事態となった。すでに自然災害で大きな被害をうけた日本に滞在しているトルコ人は、さらに放射能の危険にさらされている。
非常に大きな危機であるため、在日トルコ大使館は在日トルコ人に連絡し、事態を説明するとともに、日本からの避難を勧めた。
トルコは再び、北アフリカで行ったことを行い、国民のために動いた。しかし一つの違いがある。日本からの避難は「有料」であるということだ。
トルコ航空は増便を行った。日本で困難な状況にありトルコへの帰国を望むトルコ国民にたいして、この増便の日程も直接トルコ共和国外務省からの文書で通知された。さらに避難のための「避難費」、各種税金についてさえもトルコのこの公式文書に記載されている。
■リビアからの避難は無料、日本からの避難は有料
こうして、外務省がトルコ航空で国民をトルコに避難させるために設定した料金は、大人が東京からイスタンブルへ3046トルコリラ(約15万5千円)、東京からイスタンブル以外の都市へは3239トルコリラ(約16万5千円)、子どもが2500トルコリラ(約12万7千円)程度と明かされた。
日本からトルコの新聞記者に連絡をくれたトルコ国民らは、「在リビアのトルコ人と比べ、我々の何が問題だというのだ」と反発を表した。
Hurriyet.com.trがこの問題を記事にするや、トルコ航空が行った発表では、チケット代が1週間で片道400ユーロに値下げされると述べられた。この情報は在日トルコ人に公式に伝えられた。
つまり、もしあなたがトルコ国民で、日本から避難を望んでいるなら、「あなたが料金を払う」という条件のもとトルコ共和国があなたに提供しうるものは以下の通り。
3月20日月曜日 TK-5401、13:45東京発 22:50イスタンブル着
外務省関係筋は日本から帰国する国民のための飛行機の有料化の目的は、混乱を生みださないためであると強調した。関係筋によると、一週間で日本・トルコ間でトルコ航空が約10便を運航しているが、これらの便のチケットはかなり前に完売していた。いま航空便が無料化されたなら、現行システムに問題がおきていただろう。チケットの返還、再発行のような事態は深刻な混乱を生みだしただろう。この理由でこうした形をとった。
一方、外務省関係筋は日本で状況が切迫しているトルコ人が、大使館に避難支援を要請した場合、トルコへ無料で帰国できると述べた。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:21858 )