ギリシャのカロロス・パプルヤス大統領は、日本で起こった原子力災害後に、トルコが地震地帯に原子力発電所を建設しようとしていることに対し、「ばかげている」と述べて、EUに対し「この問題に関して動いてくれるよう」呼びかけた。パプルヤス大統領は一昨日に行った記者会見で、「日本で私達に衝撃を与えた地震が起こったこの時期に、トルコが地震地帯に原子力発電所を建設しようとしていることはばかげたことだ。EUは、自分たちの身近なところで災害が起こらないように、この問題に介入すべきである」と述べた。
■アククユをロードスの“対岸”と述べた
「ギリシャの観光業にとってとても重要なロードス島のすぐ対岸にあるメルスィンで」建設が予定されているアククユ原子力発電所が間違いであると述べたパプルヤス大統領は、レジェプ・エルドアン首相がこの問題について考えなければならないと述べた。
ギリシャのヨルゴ・パパンドレウ首相も、原発反対を伝えるためにエルドアンに電話をしたと伝えられた。エルドアン首相は、火曜日にロシアで行った記者会見で、「すぐに原子力発電所建設に着工する」ことを述べて、「原子力エネルギーにおいて、私達がロシアと共に踏み出した歩みはもう何週間にも及んでいる。全て順調である。工事に着工する」と述べていた。
一方4月の第二週にオーストリアの首都ウィーンで、トルコを含む50以上の国々が参加する「原子力安全サミット」が行われると述べた。サミットでは各国が原子力活動について報告する予定で、サミットの最後に準備されることになる報告書も世界にむけて発表されると述べた。
■頭が混乱する
エルドアン首相の会見の後で、地理的な勘違いをしているギリシャ側は、エルドアン首相の会見に対し「メルスィンのアククユ地域はロードス島の対岸にある」と言って不快感を示した。しかし、パプルヤス大統領が地中海沿岸にあるメルスィンの対岸にあると述べたロードス島は、実際はエーゲ海にある。ギリシャの大統領や同国の大手新聞(エトノス紙、エレフテロティピア紙)が、この程度の初歩的な地理的間違いを起こすなど、本当にありえないことだ。
■14%が中から高リスク
世界で稼働している400を超える原子炉のうち62基が中から高リスク地震地帯にある。ウォールストリートジャーナルは、ロンドンに本部のある世界原子力協会とアメリカ地質学協会のレポートを分析して、地震地帯に建設された原子力発電所とそのリスクを調査した。ウォールストリートジャーナルによると、現在400を超える原子炉が稼働している。約100の原子力発電所が建設中あるいは計画段階にある。これらの大部分が日本と台湾である。稼働している原子炉の48基、すなわち11%が中リスク地震地帯にある。原子炉の3%つまり14基が高リスク地震地帯にある。その14基の原子炉のうち10基が日本と台湾にある。他は、アメリカとスロヴェニアとアルメニアにある。アルメニアのウードゥルから30キロにあるメトザモル原子力施設では、さらにひとつの原子炉の建設が計画中である。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:21878 )