ドイツのハンスペーター・フレードリッヒ内相は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が、訪独時にトルコ系移民に対して行った演説を批判した。
「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」紙に意見を述べたフレードリッヒ内相は、エルドアン首相が今日までに二度トルコ系移民に向け演説を行い、この演説があたかも選挙集会のような雰囲気の中で行われたと指摘され、加えて「あなた方が掲げる寛容のコンセプトの中には、トルコの首相がドイツでこのような選挙運動を行うことも含まれているのですか」という質問を受け、下記の様に回答した:
「このことから、真にドイツで我々がいかに寛大であるかを窺い知ることが可能です。トルコの首相がこの様な姿勢を示された事は遺憾です。この姿勢は、我々の寛容に対する肯定的な意思表示とは言えません。エルドアン首相は、トルコ系移民を、自己及び自己の政治目的のために動かそうとしました。ともあれ、二度の演説は各々、調和を促すものではなかったと言えます」
フリードリッヒ内相は、別の質問を受け「少なくとも、多くのドイツ国民が唖然としながら次の様に自問自答しました:ドイツ人政治家はこういった事を他国で出来るだろうか」と発言した。
「イスラムがドイツに属するものでないとするなら、ドイツ在住ムスリムはどこに属するのですか」という問いへの回答としてフレードリッヒ内相は、ドイツ在住ムスリムもドイツ社会を構成する一要素であるとは常に言っているが、ドイツの宗教的かつ文化的アイデンティティはキリスト教に根差したものであると述べた。
ベルリンで3月29日に開催されるドイツ・イスラーム会議(DIK)にて、ムスリムに向けて何を伝えるのかという問いに対して同氏は、社会を構成する一要素としてムスリムにドイツの将来を共に形作っていこうと呼びかける予定だと伝えた。
■ 「私はドイツ在住ムスリムが政党を結成することは必要だとは思いません」
一方、フリードリッヒ内相は、ドイツ在住ムスリムが協会ではなく政党を設立する事に関して、以下の様に伝えた:
「例えば、地方政治において、昨年、トルコ系議員候補が私の故郷で出馬することを快く歓迎しました。私の選挙区でムスリムらに、『私はあなた方の代表です。あなた方はすべての民主主義政党の中で頑張ってもいいのです』と申し上げました。よってドイツ在住ムスリムの結党が必要であるとは思いません。」
「ドイツ在住ムスリムは、ムスリムとして政治に尽力すべきですか」という問いに対してフリードリッヒ内相は、「いいえ、イスラムを信じるドイツ人として力を尽くすべきです。政治の場で活動する移民は、ドイツ人であることを忘れてはなりません。我々は共に国の利益の為に政治を行うべきであり、他国の利益の為に行うべきではありません」と述べた。
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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:21906 )