著名な宗教指導者2名が政府による文化的政策を批判
2011年03月12日付 Jam-e Jam 紙

第10期政権〔=第二次アフマディーネジャード政権(2009〜2013)〕には、当局や〔体制の〕責任者、国民各層からの支持を受ける肯定的な側面がある一方で、ときにさまざまな問題を惹起し、国の一部の政治関係者から批判を招くような活動にも手を出している。

 こうしたケースの一例として、先週末、イランでよく知られている2人の著名人が政権批判を行ったが、彼らの批判は政権の文化政策に関するものであった。そのうちの一人、殉教者・献身者財団の最高指導者代理を務めるラヒーミヤーン師は昨日、自身の批判を金曜礼拝の説教前の演説で展開した。

 イラン国営放送によると、ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーンのモハンマド・ハサン・ラヒーミヤーン師は、「ナショナリズムとそのシンボルを吹聴することは、殉教の文化と革命の根本を弱体化させることに、その目的がある」と指摘、さらに「過去の王制・圧制の痕跡について云々しようという風潮が、社会に見受けられる〔※〕」と付け加えた。
〔※アフマディーネジャードやその側近であるマシャーイーがキュロスを称賛したり、さまざまな映画監督・ドラマ制作者がキュロスを題材にした作品を作ろうと企画したりするなど、イスラーム前の古代イランを称揚する雰囲気が生まれつつあることを指す〕

(中略)

 他方、マシュハド金曜礼拝導師であるアーヤトッラー・アラム=アルホダーも、「アフマディーネジャードは、ハータミー政権時代の文化的・宗教的弾圧の流れ〔※〕を止めたが、しかし彼の文化的アプローチもあまり宗教的なもの、〔イスラームの〕倫理的価値に則ったものとは言えない。見直しが必要だ」と述べた。
〔※ハータミー政権時代に、欧米の文物の流入が増大し、イスラーム共和国体制が是とする旧来の宗教思想が思想家らによって改革の対象となったことを指す〕

 マシュハド金曜礼拝導師はファールス通信との会見で、次のようにも加えた。「アフマディーネジャード政権の文化的アプローチには、あまり宗教性が感じられない。彼は、〔イスラーム文化ではなく〕《イラン的文化》という名の〔‥‥〕普遍的・包括的文化を、我が国で作り上げ、発展させようと考えている。こうしたことは、われわれの宗教的・倫理的基盤と調和・適合するものではない」。

 アーヤトッラー・アラム=アルホダーは、政府の文化プログラム、ならびに《イラン的文化》なるものを強調する輩との協力すべてについて、大統領は見直しを行うべきだと指摘した上で、「国の専門家たち〔=専門家会議の議員たち〕はこの問題に対して、何度も注意を与えてきたし、アフマディーネジャードとも協議してきた。同氏がこうした注意勧告に対して、配慮されることを期待する」と述べた。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

Tweet
シェア


関連記事(モタッハリー議員、ペルセポリスでのノウルーズ祭に抗議)
関連記事(アフマディーネジャード「アメリカには8000万人の貧困層がいる」)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:三浦由佳理 )
( 記事ID:21910 )