エジプト、イスラエルへの天然ガス輸出協定を改定する意向
2011年03月20日付 al-Quds al-Arabi 紙
イスラエルへのガス輸出に抗議するエジプト人女性
■エジプトはイスラエルへのガス輸出協定改定を目指す
2011年03月20日付『クドゥス・アラビー』紙
【カイロ】
エジプトは複数の諸国、とりわけイスラエルとの間で締結されている天然ガス輸出協定の改定を目指しており、また石油製品への補助のあり方も見直す意向だ。
国営の中東通信(MENA)によると、アブドゥッラー・グラーブ石油相は、ガス輸出に対するメディア・キャンペーンと大衆的な拒絶とは、エジプト側の交渉者がより良い条件を引き出す助けとみなされうるとして、次のように発言した。「現在、複数の国、とりわけイスラエルとの間で、エジプトにより良い利益がもたらされることを目標に、天然ガス協定の改定交渉が全力で進められている」。
エジプトはイスラエル向けに、東地中海ガス・コンソーシアム(EMG)を通じて天然ガスを輸出している。EMGは、エジプト人実業家のフサイン・サーリム、エジプト天然ガス社、タイのPTT社、アメリカ人実業家のSam Zell、イスラエルのAmpal-American Israel CorporationおよびMerhav社によって所有されている。
エジプトの報道機関は、イスラエルの電力施設が必要としている天然ガスのうち、45%を輸出しているEMGが、市場価格よりも安くイスラエルにガスを売っていると非難している。
3月7日の就任後初の記者会見でグラーブ石油相は、エジプトからイスラエルへのガス輸出は、エジプトの総産出量の4%を超えないと語った。
2月5日に起きた爆発と火災で、シナイ半島を抜けてガスを輸送するパイプラインは被害を受けたが、エジプトからイスラエル向けの天然ガス輸出は先週、再開された。
エジプトはパイプラインを通じてヨルダンにもガスを輸出しているほか、別の国々にも海運で液化ガスを輸出している。
中東通信はまた、エジプト政府は「補助金がほかの用途や中間業者に向かうことなく、市民に着実に届くよう、補助金の流れを変える」べきであるとの、グラーブ石油相の発言を報じた。
エジプト政府は6月に、その大半がエネルギー部門向けである政府補助金が、2010-2011年度予算の歳出総額のうち、4分の1以上を占めていると発表していた。
グラーブ石油相は、今の段階で政府は石油製品の値上げは考えておらず、6月30日に終了する今の会計年度内に、石油製品への補助金として820億エジプトポンド(138億ドル)を支出する予定であると語った。
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( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:21923 )