リビアに対する軍事行動の指揮権をNATOに移すというアンカラの主張がすでにNATOで受け入れられているにもかかわらず、フランスのニコラ・サルコジ大統領は、火曜日(29日)にロンドンで予定されているリビア情勢をめぐる外相級会議において、この決定に反対する可能性があることが明らかになった。そのためこの会議が行われる前に、全ての作戦がNATOの指揮下に移されることが期待されている。
対リビア作戦司令本部がイズミルに置かれ、シャルル・ブシャール・カナダ空軍中将が司令官に任命された。この時、連合国の間では、対リビア軍事作戦における指揮権はNATOに委譲されるべきというトルコの見解が受け入れられていた。しかしサルコジ大統領が、ロンドンでの会議において、この決定に反対する可能性があることが明らかになった。そのためこの会議より前に全ての指揮権がNATOに移されることが期待されている。
トルコとアメリカ、イギリス、NATOの外交官らが木曜日(24日)に下した決定は「トルコの懸念を取り除くもの」であり、一方アンカラとの外交上の駆け引きに敗れたとみなされたフランスのサルコジ大統領は、(決定の本来の意図とは)全く異なる解釈を示した。ヨーロッパのメディアが、フランスはトルコに対し(自身の主張を)取り下げたと報じ、フランスのメディアもサルコジ大統領の矛盾した態度を批判し始めた。ル・モンド紙は、サルコジ大統領はブリュッセルにおいて(NATOへの指揮権委譲を)表明したが、NATO内部では「(この決定とは)異なる意見」を持っており、今後全ての決定が連合国の内部で行われることになれば、サルコジ大統領が「かじ取り役」を担おうとしている連絡調整グループも単に意見を求められるだけの立場におかれるだろうと伝えた。
昨日(24日)のEU首脳会議の後、記者会見を行ったサルコジ大統領は、トルコを除く11カ国から成る連絡調整グループが軍事作戦における主導権を握り続けるだろうと述べた。しかし、このサルコジ大統領の発言をトルコだけでなく、アメリカ、イギリス、NATOの情報筋も肯定することはなかった。NATO関係者らは、木曜日(24日)以前にトルコ、アメリカ、イギリス、フランス間で、後にNATOで、すでに明確な合意が得られており、その合意がトルコの懸念を取り除き、リビアに関わる全ての作戦がNATO指揮下で行われることを強調している。これはフランスがNATOにおいて孤立したことを示している。
サルコジ大統領が各国との合意を覆さずに(合意とは)異なる主張を行うことは、外交グループを不安にさせた。トルコも参加し、火曜日(29日)にロンドンで行われるリビアに関する外相級会議で、フランスが一度承認した合意に反対を表明するのではないかという心配も生じた。トルコのEU加盟を先頭に立って反対しているサルコジ大統領は、先週パリで、リビアに関して話し合われた首脳会議にトルコを招待しなかった。トルコはこれにより抱いた不快感を、NATOを含め多くの国際的な話し合いの場で表明してきた。木曜日(24日)に得られた合意で連合国が飛行禁止区域の指揮権を直ちに引き継ぎ、また日曜日(27日)には、軍事作戦の必要性を後押しするリビア国民の保護という使命に基づく計画が、ロンドンにおける首脳会談を前にして話し合われる。その席で、全ての対リビア作戦の指揮権がNATOに委譲されることが期待されている。
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( 翻訳者:細谷和代 )
( 記事ID:21943 )