訪英のエルドアン首相、リビア反体制派への武器供与に懸念表明
2011年03月31日付 Hurriyet 紙
訪英中のレジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、NATOに対し、「リビアが、アフガニスタンのようになってはいけない。トルコは、カダフィ政権に抵抗し続ける反体制派への武器供与には反対である」と述べた。
訪英後、トルコへ帰国したエルドアン首相は、昨日、デ-ビッド・キャメロン英首相と行った共同記者会見において、リビア作戦の指揮権を引き受けたNATOに対し、以下のように呼びかけた。
「NATOが重要な試験をリビア作戦を成功させて欲しいと我々は思っている。つまり、リビアにおけるNATOの介入は、アフガニスタン(での介入)のようになってはならないと思っている」と話すエルドアン首相は、「トルコや英国が将来に向けて踏み出す一歩の重要性は大きい。すばやく協力し、リビアでの弾圧、殺人、流血状態を止めなければならない」と述べた。
トルコがカダフィ政権に抵抗し続ける反体制派への武器供与には反対であると述べるエルドアン首相は、「このことを、懸念している。というのも、政府も、組織も存在せず、我々も当然そのようなものは受け入れないからだ。こうしたこと(武器供与)は、反対に、リビアでテロの温床となる可能性があり、これはより危険なことであり、リスキーである」と話した。
リビアの反体制派への武器供与は、米英のリーダーたちが提案したものだが、欧州各政府の間で合意には至らなかった。
■「アサド大統領は、愛されたリーダー」
シリアでの反体制デモにも触れたエルドアン首相は、「(バッシャール・)アサド大統領と2ヶ月前に行った会談で、同大統領に対し、戒厳令の廃止と、改革の件を話した。国民の要求を考慮する必要がある。これに向けた一歩を踏み出す必要がある。」
アサド大統領が、シリアで愛されてきた大統領であると話すエルドアン首相は、11年間政権与党であるヌサイリ派のリーダーがここまで愛されるのは、スンニー派の夫人の貢献も大きいと述べた。
■「共同の人道的支援機構」
会談で話したキャメロン英首相も、トルコがリビアに関する国際基礎グループの一員になることを述べ、「リビア国民の需要に応えるため、アンカラで人道支援のための機構を共同で設立することに合意した。」と話した。
キャメロン首相は、リビアにおける反体制派への武器供与に関する質問に対し、「我々は、リビアの分裂を望んでいない。(しかし)民主的で自由な将来のため、リビアがこうした(供与された武器で戦うという)プロセスを経ることを望んでいる」と述べた。
■エリザベス女王を往訪
エルドアン首相は、キャメロン首相との会談前に、エリザベス2世を往訪した。バッキンガム宮殿において約30分間行われた表敬には、エミネ・エルドアン夫人も同席した。
バッキンガム宮殿前で毎日行われている衛兵交代式の時間帯に同宮殿に到着したエルドアン首相のために、宮殿入口では警備が強化された。
エルドアン首相夫妻は、エリザベス2世と最近では同女王のトルコ訪問の際に面会している。
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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:21990 )