■アブダビ不動産市場、段階的に回復の兆し
2011年04月10日付『アル=ハヤート』
【アブダビ:本紙】
イギリスの不動産コンサルティング会社「クラットンズ」は、アブダビ不動産市場がこの2年間続いた不況に終止符を打つだろうとの予測を発表した。
同社は今年度の第1四半期におけるアブダビ不動産市場に関する報告書で、以下のように伝えた。「2011年はアブダビ不動産市場の住宅部門に関して多くの発展が見込める。不動産ブローカーや投資家らは、『マリーナ・スクウェア』内の『RAKタワー』や『シャムス・ワ・サマータワー』内の集合住宅等、発売が遅れていた物件を心待ちにしており、これらの物件は売買市場と賃貸市場の両面で、2年間停滞の続いた不動産取引の活発化に貢献すると期待されている」。
アブダビに特化した不動産指標を発表した同社の報告書は、「アブダビ島北部のような高級住宅地における賃料の下落率は5%に満たず、その他の地域と比較して最も小幅な下落率と見られている」と指摘し、「『リーフ』住宅プロジェクト等の一戸建て売買市場では、賃料は2~5%の緩やかな低下を見せる一方、湾岸協力会議(GCC)加盟国の国民向けフリーホールド型の一戸建て物件は賃料水準を維持した」と伝えた。
また同報告書が明らかにした所によると、「オフィス物件の賃料は2008年の第3四半期以来連続して落ち込みを続けており、当時1平方メートルあたり3800ディルハムに達していた賃料平均は、現在では1600~1800ディルハムの間を行き来している」との事だ。
同報告書は、「オフィス部門は経済的困難や投資家からの信用低下の煽りを受け、多くの課題に直面し続けている」と指摘し、「ようやく売りに出された新たなオフィス物件が市場の歯車を回す機能を果たせなかったため、概して今年度の第1四半期は市場の動きが比較的鈍かった」との見方を示した。また地主に対して「借り手を惹きつけるために賃料に入札方式を取り入れたり、魅力的な賃貸条件を提示したりする」よう求め、「より高額な賃料収入を望むあまり全く借り手がつかない状態よりも、ある程度低い価格で建物内の全ての物件を貸し出す方が比較的好ましい事に、地主は気づかなければならない」との見解を示した。
また同報告書は、「『シャムス・ワ・サマータワー』や『インフィニティ』といった投資エリアでの新たな物件の完成に伴い、新たな地主が賃貸料の決定について中心的な役割を担うだろう。彼らは需要を引き上げるために市場での通常価格を下回る価格を提供する準備がある」と伝えた。
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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:22083 )