フィールーズアーバーディー軍統合参謀長「軍は経済ジハード・プロジェクトを企画すべき」
2011年04月04日付 Mardomsalari 紙
軍統合参謀長は、軍の有する経済力が経済ジハードに関与することの必要性を強調して、「経済ジハード・プロジェクトを軍内部で企画する必要がある。こうした計画は統合参謀本部の了承を得るべきだろう」と述べた。
メフル通信の報道によると、セイエド・ハサン・フィールーズアーバーディー少将(軍統合参謀長)は、1390年度〔西暦2011年3月~2012年3月〕のスタートに際して開かれた軍統合参謀本部の当局者・関係者らによる最初の会合のなかで、本年が「経済ジハードの年」と命名されたことに触れ、次のように語った。
この標語は様々な見地から、様々な解釈が可能だが、我々がイスラーム教徒の指導者(イマーム)〔※〕によるこのお言葉に対して、バラバラな見解を持つことは許されない。我々はイスラーム的な見地から、イマームの方針にしたがって、我々の親愛なる指導者のご命令に注意を払わねばならないのである。
同氏は「経済ジハードとは、金融クレジット会社をいくつか立ち上げるとか、資本主義を擁護するとかいったことを意味するものではない」と強調し、次のように続けた。
経済ジハードとは、ただ経済的意味のみをもつものではない。むしろ、それがジハードである以上、文化的、宗教的、倫理的、そして教育的な意味をも含むものなのであり、社会の全ての階層に働きかけるものなのである。その中でも特に大きいな影響として、イスラームの目覚めのさらなる進展・発展が挙げられる。
同氏はその上で、「経済ジハードとは、すなわちイラン国民一人一人が、どこにいようと、今日、革命的・宗教的精神をもち、至高なる神の満足を得ることを考えて、労働に取り組むことを意味するのだ」と語った。
同氏は経済制裁についても触れ、次のように語った。
イスラーム革命の敵たちは、制裁によって〔われわれに対して〕なんらかのサインを示したことに注目すべきだ。つまり、我々が正しい行動を取れば、そのつど制裁を科してくるというサインを示したのである。実際、核の平和エネルギーについても、彼らは〔われわれに〕経済制裁を科してくるではないか。〔‥‥〕
同氏はその上で、「実際の所、これらの制裁はそれ〔=経済制裁〕に対してジハードを行うよう、我々に示唆する。こうした制裁は、抑圧諸国による〔対イラン〕戦線の構築を意味するのであって、アメリカやシオニズム、イギリス、そして巨大資本家らが前もって画策したものに他ならないのだ」と述べた。
〔‥‥〕
※訳註:イマームは指導者という意味だが、シーア派でイマームといえば12人のイマーム以外にはない。革命の指導者であったホメイニーは例外的にイマームと呼ばれるが、ハーメネイー現最高指導者に対して「イマーム」の語が用いられるのは異例である。ただし近年、軍をはじめとする極右の一部からは、ハーメネイーをイマームと呼ぶケースもしばしば見られる。
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( 翻訳者:渡部智士 )
( 記事ID:22108 )