タイイプ・エルドアン首相が出席した欧州評議会議員会議で緊迫した空気が流れた。エルゲネコン捜査における新聞記者の逮捕と、アフメト・シュク氏の著書回収に対する批判はエルドアン首相を憤慨させた。ダブルスタンダードで振舞っているとして欧州の同僚を非難した首相は、マイノリティ問題を例に挙げてフランスがロマ人へ行った差別を強調した。これに対してあるフランス議会女性議員がトルコでは宗教の自由がないと発言すると、エルドアン首相は次のように痛烈に反論した。「私はあなたをトルコへお連れしたい。あなたは耳にしたことだけで行動していらっしゃるのですね。我が友フランス人はやはりフランス人、トルコを何もご存じでない。わが国にはこのような素晴らしい言葉があるのですよ」。
■欧州でよく知られるフランス人
欧州評議会議員会議でタイイプ・エルドアン首相と対立した女性議員は、フランスで良く知られた人物である。エルドアン首相が「フランスの友人はトルコを何もご存じでない」と言い、トルコへ招待したこのフランス人女性は、国民運動連合議員のミュリエル・マルラン・ミリテッロ氏である。68歳になるマルラン・ミリテッロ議員は東洋言語を修め、議員になる以前は長年、文化史の研究活動を行っていた。
マルラン・ミリテッロ議員は2000年以降フランス議会で職務に就いており、同時にフランス議会アルメニア友好会派の副会長でもある。同議員は2011年1月に、アルメニア・アゼルバイジャン紛争(ナゴルノ・カラバフ紛争)後にアルメニアに占領され独立政府となった山岳カラバフ(ナゴルノ・カラバフ)について、「断じてアゼルバイジャン領にはならない」とする宣言文に署名した30人のうちの1人である。また、動物の権利について法案を提出したことでも知られる人物であり、昨年は闘牛禁止に向けた法案を出している。
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( 翻訳者:榎本有紗 )
( 記事ID:22127 )