クウェート政府・メディアによる対イラン・プロパガンダ、いまだ続く:クウェートの外交官3名、テヘランから追放
2011年04月11日付 Mardomsalari 紙
【政治部】〔サウジアラビアを統治する〕サウード家と近しい関係を保ってきたクウェート当局はここ最近、反イラン的なスタンスを取っては、イランに対して数々の疑惑を捏造することにかけて、〔サウジアラビアと〕互いに張り合っている感がある。こうした中、同国発行の某紙はこれまでとは異なる形で、〔イランに対する〕新たな疑惑を報じている。イランと共謀しているとして、一部のクウェート政府高官を告発する記事を掲載したのだ。
他方、クウェート政府がイラン大使館の外交官3名、および職員1名を追放してから10日近くが経った土曜日(4月9日)、イラン政府は報復として、クウェート人外交官3名をイランから追放することを決めたことが報じられている。
クウェートの複数のメディアは昨日、イラン外務省が在テヘラン・クウェート大使館の外交官3名に対し、イランから出国するまで10日間の猶予を与えたと報じた。クウェート外務省の消息筋はクウェートのアル・ジャリーダ紙に、「イラン人外交官のクウェート追放を受け、テヘラン・サイドから同様の措置がとられることが予想されていた。クウェートとイランの間で外交官追放の応酬があったものの、両国の間での接触は続けられている」と語った。
クウェートのハーリド・ジャールッラー外務次官も、イラン政府がクウェート大使館のムハンマド・アル・ハージュリー一等書記官、サーリム・アル・マシャーリー二等書記官、ならびにワトラール・アル・ディラク三等書記官の外交官3名の追放を決めたことを確認した。
こうした中、クウェートの国会議員3名は在クウェート・イラン大使館の全職員の追放、政治・経済・文化面でのイランとの協力関係の全面停止、及び二国間の海上・航空交通の凍結を求めた。
ムバーラク・アル・ワアラーン、ワリード・タバータバーイー、ファラーフ・アル・サッワーグの3名はまた、クウェート政府に対し、今後のテヘランへの大使派遣の中止や、レバノン、シリア、イランの3カ国からの労働力の受け入れ中止を要求している。
クウェートの外交に詳しい消息筋がアル・アンバー紙に語ったところによると、在クウェート・イラン大使館職員数は在イラン・クウェート大使館の職員数よりも多いことから、もっと多くの職員を追放する権利が自らにはあると、クウェート外務省は考えているという。
イランのアリー・アクバル・サーレヒー外相は先週土曜日、この件について次のように語っている。「もし我々の目的・意図がクウェートに危害を加えることにあったのであれば、サッダーム・フセインがクウェートを侵攻し、クウェートが窮地にあったときに、それを行っていただろう。かつてクウェートは、サッダームがイランを攻撃した際にサッダーム政権を支援していたにもかかわらず、サッダームがクウェートを攻めたとき、我々は寛大な心を持って、救いの手をクウェートの国民・政府関係者に差し出し、彼らを保護したのである」。
一方、ここ最近、クウェート当局の内部では対立が深まっている模様だ。クウェートのインテリ層やナショナリストらは、イランをはじめとする地域各国との善隣関係の保持を望んでおり、そのためイランに対して根も葉もない濡れ衣をかけることには批判的であり、また同様にバーレーンに軍を派遣して同国の人々を弾圧することにも反対の立場を示している。
しかし他方では急進的でサウジアラビアに肩入れしているグループもおり、彼らはイランへの非難を固持し、バーレーンへの軍の派遣に関しても同様に支持している。事態の推移を見る限り、今後この対立が表面化する可能性もあるだろう。
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( 翻訳者:長島太郎 )
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