礼拝問題解決のための調査
2011年04月24日付 Radikal 紙

日の出と日の入りがトルコほど規則正しくない、北緯45度より北の地域にある国々に住むムスリムの礼拝と断食の時間を調整するため、エジプト人の宗教家であるユスフ・アル・カルダヴィー氏は調査団とともに一時ノルウェーに住むことになる。

北緯45度より北に位置する国々に住むムスリムは、特に断食月に礼拝と断食の時間に関して問題を抱えている。2009年以降夏に重なっている断食月に、しばしば1時間の間にイフタール(断食後の食事)もスフール(断食前の食事)をとり、さらに日没後の礼拝もしなければならない地点に位置するこの地域において、さまざまな問題解決のために、エジプト人の宗教家であるカルダヴィー氏が調査団とともに一時ノルウェーに住み、それぞれの時間を決めようと努めていることがわかった。

この地域に住むトルコ人ムスリムも、この調査団に宗務庁から一人加わることを望んでいる。これらの国々で生活するさまざまな宗派のムスリムは、合意の上一つの暦を作ることを要請している。この問題に関してアナトリア通信特派員の質問に答えた宗務高等委員会の会長であるハムザ・アクタン氏は、北緯45度以北にある国々で特に夏に北半球で夜の時間が特に短くなると指摘した。

アクタン氏は、トルコでは5回の礼拝の時間が決まっているのに対して、この地域では特に夏に日没したにもかかわらず地平線付近では長い時間完全に暗くはならず、夜の闇がたちこめることもなく、または暗くなっても1時間も経たずに明るくなってしまうと説明し、以下のように述べた。

「さらに北へ行くと、まったく夜は暗くならない。よって日没後礼拝の時間が来ない。この状況において我々が、無理に、5回の礼拝がおこなわれるという条件に基づいて時間を決め、これを暦の中にくみこむことはできない。この状況ではこれが運命である。我々は、日が沈んで空が暗くならなくても、日の出までの時間の中で日没後礼拝の時間を決定する。断食の時間、つまり断食を始める時間をともかく決めて定めるつもりである。我々がやることはこれである。フィンランド、スウェーデン、ノルウェーなど北極に近いところに、我々の宗教上の助言者や仲間がいる。自ら現地へ行って視察してきた友人がいて、彼らは我々に情報を提供してくれる。我々はそこでの現状を完全に伝えてもらった後、この問題を解決に至らしめることが必要であるが、それは、我らの仲間を困らせることのないようなもので、さらには5回の礼拝を行うことができるようなものでなければならない。なぜなら一定の間隔で行われる礼拝は、人々を神との継続的なつながりをもたらしてくれるからだ。時間が成り立たないといって礼拝をなくすという想定はできない。我々はこうした形で認めたのである」

預言者ムハンマドは、「一年が一日のようにすぎるときが来たなら、どうやって礼拝をしましょうか」という問いに対して「あなたたちでお決めなさい」と答えたと述べたアクタン氏は、ここでの意図は、人間が神に礼拝することを確認しているのだとした。アクタン氏は、「時間が決まっているところはちゃんと時間に合わせられるが、決まっていないところは礼拝を一時中止するということではない」と述べ、時間設定を行うことで、一方ではそこにいる宗教関係者を困らせないようにし、もう一方では地域の地元の人に迷惑をかけないような状況を作るようにしたと説明した。アクタン氏は、「みんなが寝ている時間に車で人々がモスクへ行くなら、そこの平穏を壊すような状況になってしまう。このためわれわれの仲間が心休め、休息でき、礼拝できるような時間区分、さらには断食、スフールそしてイフタールがおこなわれうる時間区分を決定した」と話した。

■ 我々はそれらの問題について認識している

アクタン氏は、夜が短い日にもし5-6時間の時間があるとすると、それを3つに区分けしたと説明し、以下のように続けた。

「一番目は日没と日没後礼拝、二番目は日没後礼拝と断食前の食事の時間、三番目は断食前の食事の時間と日の出までの時間を含んでいる。しかしあるところへ来てみると、この区分をそれぞれ30分に引き下げるような状況になっている。今回はもう我々の解決能力を超えてしまっている。それに最も近いところで5回の礼拝時間が成立しているなら、それはさらに北の地域でも成立する。つまり我々の暦ではこの形で認めたのだ。私が確信しているのは以下のことである。どんなにそこで視察がされようがかまわない、カルダヴィー氏が行こうとも他の誰かが行こうとも、結果という点ではこの現実に直面することになる。この現実を考慮したうえで解決策を生み出す必要がある。現地を視察することはいいことである。しかし結果は変わらないだろう。運命である。そもそも我々はそこでおきている事柄を知っている。宗教関係者がいる。そのため我々はそこでの問題を知っている。我々が行っている調整もこれによるところである。そこに住むムスリムは「礼拝の時間になったか、なってないか、私の礼拝はみとめられたか」というような心配をする必要はまったくない。なぜなら基本的なことは、人間が神に下僕としての義務を果たすことであるからだ。重要なのは、それらの時刻は一定の間隔を空けることであり、神へひれ伏し、下僕の義務を果たすことである」

■ より適当な時間はない

宗務庁天文学者のイルハミ・アシュクカヤ氏も、北緯45度以北の国々で断食開始時間と日没後礼拝の時間が明確な時間区分の中で成立しないと話した。
アシュクカヤ氏は、これらの地域で宗務高等委員会の決定により、断食開始時間と日没後礼拝の時間が決められていないので、形ばかりの時間を決めたと説明し、この地域ではこの名目上の時間が使われていると述べた。

「宗教的基準に合う形で、時間に決定した。時間が決まっていないなら、あなた方はそこでの時間を決めなければならない」と話したアシュクカヤ氏は、「2009年にヨーロッパに住むムスリムが、断食月が夏に重なったことで我々にしばし日没後礼拝と断食開始時間の間の時間がわずかしかないということを伝えてきていた。委員会で話し合って決定しなければならなかった。2009年に新しい基準が適用された。現在そこに住む人が礼拝することができるように我々が決めた時間は、最も適当な時間である。これよりも適当な時間はないと考えている」と語った。
アシュクカヤ氏は、あらゆるムスリムの国々の出身者が住んでいるこの地域における時間と断食の問題は、すべてのムスリムの国々が団結してひとつの決定を出すことで解決することができると強調した。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:22257 )