飲酒運転規制強化の日本、交通事故38%減
2011年04月23日付 Zaman 紙

交通事故の原因は、その過半数がアルコールによるものであるという研究結果がある。

イズミル法医学研究所で毒性学を専門とするヌーリー・イディズ研究員がおこなった研究で、運転時のアルコール法定制限の引き下げにより、死亡事故が大幅に減少しうることが明らかとなった。この研究によると(血中アルコール濃度の)制限を0.50パーミル(‰)から0.30‰へ引き下げることにより、毎年2000人の命が失われずにすむ可能性があるという。また、イディズ氏の研究は他国で行われている取り組みにも触れている。運転者のアルコール規制を0.50‰から0.30‰に引き下げた日本では、2008年の死亡事故が38%減少した。同様の取組みはスウェーデンでも行われた。スウェーデンでは死亡事故が10%減少し、またノルウェーやロシア、ポーランドでも血中アルコール濃度の制限値が0.20‰にまで引き下げられている。

専門家らは、一杯の酒で血中アルコール濃度は0.20~0.30‰に達するとして、法定制限値が引き下げられれば、「一杯ぐらいなら飲んでも大丈夫」とは考えにくくなるだろうと話している。世界では、運転可能な血中アルコール濃度の制限値を引き下げるために多くの取り組みがなされている。世界医師会、英米医師協会、欧州委員会、欧州交通安全協会、米国救急医師協会など、交通事故防止や国民の健康、交通安全に関わる諸機関が、法定制限値を0.50‰、もしくはそれ以下に引き下げようと取り組んでいる。この枠組みのなかで、日本やスウェーデンとともにノルウェーやロシアも法定制限値を0.20‰に引き下げ、ポーランドも0.30‰に引き下げられた。

イズミル法医学研究所で毒性学を専門とするヌーリー・イディズ研究員は、研究チームに提供される交通事故について調査し、様々なシンポジウムでその結果を発表している。イディズ研究員は2005年2月から2007年2月の間に化学専門局に提供された291件の負傷事故と57件の死亡事故、計348件の交通事故を調査し、そのうち37%でアルコールが検出されたと述べている。負傷者が出た交通事故のアルコール検出の割合は33.7%であり、死亡事故においては55.4パーセントにも上るという結果は注目に値する。イディズ研究員はこの研究結果を踏まえて、「わが国で法定制限以下と定められている血中アルコール濃度は0.21~0.50‰だが、この濃度の交通死亡事故のリスクは、血中にアルコールを認めなかったドライバーにくらべ3.8倍高いことが明らかになった」と報告した。交通死亡事故において血中アルコール反応が陽性となる割合は、米国40%、中国42%、北スペイン51%である。法定制限が0.20‰に引き下げられたスウェーデンではこの割合は22%に減少した。2007年2月にイズミル県警交通課による1万662名への調査では、17.6%の人が血中アルコール反応で陽性と出ている。

■制限引き下げで何百人も助かる

イズミル市での調査では交通死亡事故の50%以上で血中にアルコールが確認されている。一方で、世界の制限を引き下げた国々では良い効果が目立つ。スウェーデンは制限値を0.20‰に引き下げた結果、死亡事故は約10%、複数名が負傷する事故は12%減少した。制限値を0.50‰から0.30‰に引き下げた日本では、2008年の調査で交通死亡事故が38%減少したことが明らかになっている。トルコでも制限値が引き下げられた場合、スウェーデンでの減少率にあてはめれば500人、日本での成功例に追い付けば1500人規模で、交通事故関連の死亡事故を防ぐことがきると試算される。昨年はトルコ全土において、110万4千件の交通事故で4045人の命が失われ、21万1496名が負傷している。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:22275 )