ギリシャ・メディア、イスタンブル運河計画に懸念
2011年04月30日付 Hurriyet 紙

アテネで発行部数の多さを誇るエトノス紙は、黒海とマルマラ海の間に運河を建設するというレジェプ・タイイプ・エルドアン首相のプロジェクトは、「トルコをモントルー条約の責務から解放し、中央アジアの石油を地中海へ輸送することにおいてトルコに完全なる主導権を握らせるような代替案となるだろう」と報道した。

エトノス紙は、「3つの海の運河-エルドアン首相の恐るべきファラオ的プロジェクト」という見出しのコラムの中で、「タンカーがイスタンブル運河を通行すれば、国際海上輸送分野における均衡に変化をもたらし、エーゲ海は多くの石油タンカーが通行する混雑した海路になる」と述べ、「この状態は、ギリシャの経済的や環境的観点から悲惨な状況を引き起こすことになる」と主張した。

■コラムの内容は以下のとおり

「これほど長期間に渡る戦略的なプロジェクトにおいて、特にモントルー条約が船舶のボスポラス海峡通行に関してトルコに課したいくつかの責務を考慮したときに、タンカーや他の大型船舶の通行がもたらす海上交通渋滞がボスポラス海峡に安全保障上の問題を引き起こすことを、トルコ政府は無視できなかった。トルコ首相は、新たに建設予定の運河によって、黒海、ロシア、中央アジアの石油をエーゲ海に輸送することに関し主導権を完全にトルコに握らせるための代替案を見つけたことになる。これにより、トルコはモントルー条約の責務から開放される。同時に、この運河は、ブルガズ‐デデアーアチのような地域的パイプラインの建設における合意を生み、第三国の土地を利用せずに(ギリシャ、ブルガリア、ルーマニア等)、中央アジアのエネルギー資源を輸送することにおいて戦略的な意味を高めている。ギリシャは、戦略地政学的変化の他に、環境問題に関しても継続的に脅威にさらされることになるため、(このプロジェクトに対し)もちろん黙っていることはできない」

Tweet

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:22323 )