アメリカのテキサス州で1930年代以来続いているもっとも深刻な干ばつのために、リック・ペリー知事は信仰を持つ者らに対してそれぞれが信仰する宗教に従って雨乞いの祈りをささげるよう求めた。州内のいくつかの地区では3か月まったく雨が降らず、暑さと乾燥のために火災の危険がある。去年の12月から今日までの5か月間に起きた8000件以上の火災で400軒の家と180万ヘクタールの土地が被害にあった。
リック・ペリー知事が発表した声明文では上述のような様々な情報を伝えながら、イスラムの教えに基づく雨乞いである、3日間の祈りについて特に言及していることが注目された。テキサスでの干ばつや洪水などのような災害が、「神の警告」として受け取られており、人々は警告が取り除かれるよう祈りをささげているのである。
リック・ペリー知事の呼びかけにヒューストン・トルコ人協会も無関心ではいられなかった。トルコ人は金曜礼拝から3日間にわたり雨乞いを続け、手を天に向かって伸ばしてアッラーに「神のご加護」を乞うた。
リック・ペリー知事は宗教的な内容を含む声明文で次のような表現を使った。「大規模な干ばつのまっただ中に私たちはいます。歴史を通して、わが政府も国民も祈りを通して自らを奮い立たせてきました。いまは、テキサスの人々が一丸となって謙虚な姿勢で、厳しい干ばつと危険な火事から救われるために祈りをささげる時なのです。法が私に与えてくれた権限に基づいて、金曜日から日曜日まで3日間にわたり、いかなる信仰や宗教に属しているかは関係なく、すべてのテキサスの人々は大地に再び雨が降ることと再び普通の生活に戻るために祈りをささげてくれることを望んでいます」
ここ3日間雨乞いをしているヒューストン・スルタンアフメド・モスクのイマーム・ハティーフのムスタファ・イイト氏は初めて先週金曜日の説教で、雨乞いをするよう呼びかけた。礼拝の後モスクの庭に集まった家族たち、女性と男性たちからなる信者らは、神学者のアデム・アクンジュ博士の指導の下で祈りをささげた。アクンジュ博士は演説の中で「干ばつの被害をこうむった人々は神の加護を得ようと祈りをささげています。大切なことは、干ばつの時を祈りの時とみなすことです。つまり雨が降るか降らないかは神の意思なのです。ムスリムの人々はともかく受け入れる存在なのです」と述べた。
イマームのムスタファ・イイト氏は祈りの呼びかけに喜んで応じると述べ、「イスラム教ではこのような干ばつの時は、祈りの時でもあるのです。私たちも雨乞いを行い、祈りをささげてきました。このできごとはイスラムの伝統の復活の機会になりうるという観点からも重要です。教えにしたがって3日間連続して行われるよう勧めます」と述べた。
二日目の昼の礼拝の後の雨乞いは再び神学者のケマル・シャーヒン博士が先導した。二日目の雨乞いにはより多くの子供たちが参加しているのが見られた。3日目になると朝の礼拝の後から雨乞いが行われた。
雨乞いに多くの人々が関心を示してくれたことは喜ばしい限りであったと述べたレインドロップ・テュルクエヴィのメフメト・オクムシュ会長は、「親愛なる知事が、近年で最も規模の大きな干ばつと見なしたこの災害にたいし、宗教、文化を問わず各方面からなされた雨乞いの呼びかけに、アメリカに住むトルコ人として無関心ではいられませんでした。わたしたちにおいてもできるだけの説明をおこなったのち、宗教の教えの枠組みの中で、雨乞いの礼拝と祈りでもってこの呼びかけに応じました」と続けた。
初日と3日目の朝に小雨が降るのが観測された。気象庁関係者は、インターネットでの気象写真で、3日目の日曜日の翌日である月曜と、火曜日は雨であるとした。また、昨夜もオースティンとヒューストンで小雨が降ったことが報じられた。
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( 翻訳者:佐藤悠香 )
( 記事ID:22356 )