ハッキャーリ県ユクセキオヴァ郡、緊張高まる―PKK系 vs. ヒズブッラー系
2011年05月06日付 Radikal 紙

「被抑圧者との連帯協会」のメンバーで、ハッキャーリ県ユクセキオヴァ郡での事件で殺害されたウベイドゥッラフ・ドゥルナが埋葬された。郡で事件が起きる一方、ディヤルバクルでは、集まった44の市民団体が良識(のある行動)を呼びかけた。

ユクセキオヴァ郡へ7kmのアクス・キョイで、ドゥルナの葬儀に立ち会った人々や近隣の地域から来たといわれる約200台の車列が、黙祷後に郡の中心地へやってきた。車から降りた約300人がジェンギズ・トペル通りで「アッラーは偉大なり」と叫びながら歩き始めた。すると通りのシャッターは次々と閉められた。この「被抑圧者との連帯協会」の支持者グループに対し、周りにいた人々は抗議の意を示したのだ。

その後、両者の間で石や棒を持ち出しての衝突が起こった。警察はこれに催涙爆弾や空中への威嚇射撃を行って介入した。ジェンギズ・トペル通りに面した「被抑圧者との連帯協会」と周囲のオフィスのガラスが割られた。

■ 公正発展党(AKP)の選挙事務所と車が火に包まれた

ユクセキオヴァ郡のイペキ・ヨル通りにあるAKPの選挙事務所に火炎瓶が投げ込まれた。7階建てビルの1階にあったAKPの事務所で起こった火事に、市の消防隊が駆け付けた。消火の際、選挙ビルに被害が生じた。ユクセキオヴァ郡では複数の地域で事件が続いているが、そのユクセキオヴァ郡のカラヨルラル・カヴシャーで、火をつけられた「72 EA 378」というナンバープレートの車は焼けて鉄くずと化した。ムスタザフラル・デルネイのメンバーによるデモ後に発生した事件で、2名が投石に当たり負傷したことが発表された。彼らはユクセキオヴァ国立病院で治療を受けた。

■ 44の市民団体が良識(ある行動)を呼びかけ

ユクセキオヴァでこうしたことが起こった一方、ディヤルバクルでは44の市民団体が集結した。彼らはヒズブッラーに近いとされる「被抑圧者との連帯協会Mustazaflar ile Dayanışma Derneği(Mustazaf-Der)」メンバーの殺害に対して非難をし、関係者に良識ある行動を呼びかけた。ディヤルバクルでは、人権擁護協会(Mazlum-Der)、公務員組合連合(Memur-Sen)、そしてディジレ・フラト・ダイアローグ・グループに属する44の市民団体や労働組合の代表者たちが、人権擁護協会のビルで記者会見を用意した。共同声明を読み上げた人権擁護協会のメンバー、ヌレッテイン・ボズクルトは、ウベイドゥッラフ・ドゥランは、今現在も犯人不明の襲撃によって殺害されたと述べた。ボズクルト氏は、現在も明確な情報にたどり着けていないとし、こう語った。

「しかし誰によって暗殺されたかは問題ではありません。私は一人の人間の命を弄び、社会的な平安を危機に陥れるようなこの事件を非難します。今回のこの痛ましい事件や過去の体験は、あらゆる相違を抱えながら生きなくてはいけないことを、我々により一層教えているはずです。」

ボズクルト氏は、過去の事件が再発することのないように、社会と支持者が諍うことなく事件(の全容)解明を望む必要があると説明した。彼は、支持者が自ら可能なことはおこなって事件解明に協力し、「痛みを分かち合うよう踏み出すこと」が必要だと強調した。

■ 店舗への攻撃は受け入れられない

ボズクルト氏は、人間の自然な要求が語られる際、暴力は遠ざけられる必要があるといい、次のように語った。

「社会的な平和・平安(の醸成)につとめる方法を自らのものとし、新たな問題の発生からは努めて遠ざからねばなりません。この問題に対しては、市民団体と政党の双方が根底から抑制の効いた権利追求の方法を生み出すことが絶対に必要です。事件発生に際し店舗や市民団体へ行われる攻撃を受け入れることはできません。このことを今一度強調し、責任者がより注意深く、良識を説くよう要求します。事件が一刻も早く明るみに出るよう、関係機関が必要な措置をとるよう要請します。」

■ KCKは賛同せず

「クルディスタン社会連合」(KCK)は、今回の事件を「挑発」と捉えていると発表した。この組織に近いインターネットサイトに掲載された声明によると、選挙の前に様々な勢力が危険な計画の実行を望んでいたとした。KCKは、今回の事件には決して賛同せず、「被抑圧者との連帯協会」への警告を行った。その文面は次の通り:

「クルドの自由のための行動として、「被抑圧者との連帯協会」とその周辺とに、現在までに互いにいかなる問題も起こさぬよう努力してきた。我々はあらゆる人々、世論や同協会の周辺が次のことを認識するのが有用と思っている。我々がこうした周辺へ向けていかなる行動をとるつもりもなく、またこの種の試みは間違っており、危険だと感じている。よって我々はこの種の事件には絶対に反対である。同じ姿勢が同協会の周囲にも広がっていくことを期待する。」

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:22406 )