メルスィン県で、フラント・ディンク氏(訳者注:2007年に殺害されたアルメニア系の新聞記者。アゴス新聞の発行人)の名を冠した公園がアクデニズ市により整備され、開園式典が執り行われた。
フラント・ディンク氏の妻ラケル・ディンクさんは、アクデニズ市の公園開園式でのスピーチで、「彼の不在は、人類に重くのしかかります」と話した。また、彼女の夫が、すべての民衆が受けた不当な扱いを言葉にするため尽力していたと述べて、次のように続けた。
「今日私たちが直面したあの事件は、民族主義という問題の一つに過ぎません、しかしあの事件が将来に大きく寄与することを信じております。夫は、人生を通して正義のために闘っておりました。彼はすべての民衆が受けた不当な扱いを言葉にするために闘い、そしてその闘いの代償として亡くなりました。しかし、唯一私たちを慰めてくれるものは、彼の死により彼のような思想を持つ人が増えたことです、それを今ここで見ることができます。彼の名を目にするすべての人達が分離主義や人種差別、あるいはファシズムが生み出した残虐な事件を思い出すことでしょう。」
アクデニズ市のファーズル・トゥルク市長は、自身の任期中で最も名誉ある意義深い政策のひとつを実現したことを誇りに思うと述べた。トゥルク市長は、アクデニズ市が市民と文化のモザイクであることについても言及し、次のように話した。
「アクデニズ市は平和と兄弟愛、そして寛容のシンボルです。信念や文化が異なるコミュニティが、アクデニズ市ならびにメルスィン県では、人は長年、平和と同胞愛の中で生きています。今日、どんな良心も認めないような、邪悪な襲撃によって殺害されたフラント・ディンク氏の名を、我々は永久に忘れることはないでしょう。」
メルスィン県から出馬するエルトゥールル・キュルクチュ国会議員候補(無所属)と、メルスィン68年連合財団のハサン・カプクラン会長もそれぞれスピーチを行った。ステージではカルデシュ・トュルキュレル(訳者注:トルコ民謡グループ)や地元の歌手らによるミニコンサートなども催され、西アジア地域の民謡「サル・ゲリン」が演奏されると、ラケル・ディンクさんも座席から時折一緒に口ずさんだ。ステージには、歌手のムスタファ・アラボラさん、小説家のアリ・バイラムオールさんの他、多くの招待客も参加した。またラケル・ディンクさんと同伴者は、フラント・ディンクさんの写真と鳩をあしらったモニュメントを序幕した。(アナトリア通信)
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:22417 )