アラブ世界フリーゾーンの役割の重要性
2011年05月09日付 al-Hayat 紙

■アラブ世界のフリーゾーン、投資誘致の役割強まる

2011年5月9日付『アル=ハヤート』

【ドバイ:本紙】

 雑誌「Forbes Middle East」は最新刊でアラブ世界の「フリーゾーン」についての研究を発表した。この研究は、諸般のフリーゾーンの利点と重要な経済的役割に焦点を当てた。フリーゾーンの重要な役割とは、設置国やアラブ諸地域での投資を促進することである。また、この研究は、現下の地政学的事件からフリーゾーンが受ける影響にも焦点を当てている。研究は、諸般のフリーゾーンを強化する基準を提示し、活動や発展の事例を他のフリーゾーンと比較することを通じて行われている。

 クロード・アムヤーン編集長は、同誌の調査チームは今年の初めから独自の調査を開始し、中東地域および北アフリカにおけるフリーゾーンの重要性を明らかにしたと述べた。また調査は事業の設立場所とするフリーゾーンの選択、あるいは現在の投資の増加、拡大を望む人の関心事項である評価基準の提示を通じて、現在の投資家や潜在的投資家の需要に応えるために企画された。

 研究に含まれるもっとも重要で、かつ投資家が関心をもつ基準は、統一された窓口サービスの豊富さである。これは、どのフリーゾーンにおいても起業の主要な動機とみなされる。それというのも、統一された窓口サービスがあれば異なる分野間での送達に時間を取られる官僚気質や書類仕事が減るからである。また編集長は「本誌の調査チームは、ほとんどのフリーゾーンで情報収集・分類のレベルで困難に直面した。すなわち、一部フリーゾーンは協力を拒否し、別の一部は透明性を欠いていたのである。また、情報収集の際、官僚気質にも直面した。すなわち、要求された質問の回答のいくつかに上からの許可が必要になる、また時には職員が単純な質問にすら答えることができないといった事例でありこれは十分な職業訓練が欠けていることの証拠である。」と語った。

 アラブ地域におけるフリーゾーンの重要性は、国の国民総生産への貢献に現れている。たとえばジャバル・アリーの経済自由地区「JAFZA」は、年間でドバイの国民総生産の約25%、ドバイ空港の「DAFZ」は2.27%に貢献している。アムヤーン編集長は「ある国々では、フリーゾーンがドバイ同様に国内総生産に貢献したが、別の国々ではそのような貢献度は達成しなかった。外国からの投資誘致を望むなら、透明性の確保と国の投資環境を支援する明確な宣言のリストが必須である。」と続けた。

 また同編集長は、中東地域および北アフリカへの投資の拡大と事業の移転を計画する外国の投資家が事業の設立に最適なフリーゾーンを選択できるような支援も必要であると指摘した。30以上のフリーゾーンを擁するアラブ首長国連邦は、投資を引き付ける代表的な地域と考えられている。同国の成功は、政治・経済状況の安定、投資への優遇措置、ほとんどのフリーゾーンには見られない独自性をはじめとする諸要因に帰せられる。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:片山満祐子 )
( 記事ID:22442 )