イラクの“時限爆弾”といわれるキルクークは、昨日3つの挑発的な攻撃によって震撼させられた。イラク・トゥルクメン・フロント(ITC)の代表の家をロケット砲で攻撃し、クルド系の警察署長の護衛車に地雷が仕掛けられた。関係者たちは、この挑発行為の目的は内戦の誘発だと語った。
イラク北部、様々な人種の住民が住んでいるキルクークで、昨日、大きな混乱を引き起こしかねない挑発的攻撃により町は震撼した。最初は、ITC代表に先週就任したエルシャド・サリヒ氏の家が標的となった。早朝に起きた攻撃で、ロケット砲がサリヒ氏の寝室に打ち込まれた。ロケット砲は、寝室の天井に穴をあけ、家を大損壊させた。事件発生時家にいたサリヒ氏とその家族は無事に救出された。
その後、エルシャド・サリヒ氏の家にやってきたクルド系のキルクーク警察署長ジェマル・タヒルの護衛車に地雷が仕掛けられた。タヒル署長の2人の護衛が爆発で負傷した。キルクーク警察は他にも爆弾が仕掛けられているかと疑い、広域捜査を始めた。3回目の攻撃では新聞記者が狙われた。新聞記者たちのいるところに、中に爆弾が仕掛けられたドラム缶が転がってきた。事件現場で報道していたジハン通信、ロイター、トゥルクン・エリTVのレポートーやカメラマンたちがその場を離れた後、警察はドラム缶の爆弾を解体した。
イラクの“時限爆弾”といわれるキルクークで連続して起きた攻撃は、イラク首相ヌーリー・アル=マリキが、年末に実施予定の米軍のイラク撤退延期について検討に入った後に起きたことに注目が集まっている。サリヒ氏は、ジハン通信のインタビューに答え、今回のような攻撃を予想しており、キルクークに駐留する米軍に犯人を見つけてくれるよう依頼したと語った。そしてITC代表は、「事件当時、米軍の飛行機がキルクークの空域を飛んでいたことに注目している。我々は米軍からの説明を待っている」と述べた。サリヒ氏は、今回の攻撃の真の目的は、再び内戦を生むことだ、と語気を強めて語り、「トゥルクメン人たちがイラクの統一維持を望み、正しい道を歩んでいるので、そのことが誰かを不快にしているのだ。我々の行為は、彼らの目的や目標に反するからである。イラクは微妙な時期を過ごしている。一部のものたちは内戦再発を望んでいる。しかし、それを許すつもりはない」と続けて述べた。
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( 翻訳者:大久保はるか )
( 記事ID:22482 )