南東アナトリアで閉店抗議続く―シュルナクでPKK12人殺害
2011年05月16日付 Milliyet 紙
越境し遺体を探す人々
越境し遺体を探す人々

殺害されたPKKメンバー3人の遺体がイラク側にあったことから、約300人が当該地域へ行ってテロリストの遺体を捜した。

シュルナク県ウルデレ郡のイラク国境での2つの別々の軍事作戦で12人のPKKテロリストが殺害された後、南東アナトリアのいくつかの県や郡では商店が16日もシャッターを下したままであり、いくつかの郡では連絡が取れなくなった。ウルデレ郡から(イラク)国境を越えた約300人がイラク領内でみつかったPKKメンバーの遺体を収容したが、国境では治安部隊が空に向けて警告射撃を行った。ディヤルバクルでは閉店抗議を支持するために、共和人民党(CHP)は16日、選挙事務所を開けなかった。

 シュルナク県ウルデレ郡のイラク国境と接するイエミシュリ村の村外れでの2つの別々の軍事作戦で12人のテロリストが殺害されて以来、当該地域は緊張に包まれている。シュルナク県では、テロリストが殺害されたことで3日間喪に服したが16日、ディヤルバクル県をはじめバトマン県、シュルナク県では、市中心部といくつかの郡において閉店抗議がおこなわれた。 シャッターが下ろされたバトマンではあるグループがトュルグト・オザル通りにある掲示板に貼られた公正発展党(AKP)の国会議員候補者のポスターを破り捨て、ガラスを割った。

■共和人民党(CHP)は選挙事務所を開けなかった

ディヤルバクル県では多くの地区で閉店抗議がおこなわれ、市営バスも動かず、ゴミも収集されなかった。平和民主党(BDP)関連の建物には黒い布がかけられた。ディヤルバクル県の閉店抗議には、CHPも選挙事務所を閉めて支持を表明した。CHPのムザフェル・デイル県代表は、「私たちは人びとの決意を尊重するため、この地方の唯一の選挙事務所であるサリハ・シュメル選挙事務所を閉めることとした」と述べた。

■国境を越えて遺体を収容している

ウルデレ郡に位置し、イラク国境周辺で戦闘があったイエミシュリ村では、国境地帯で遺体を収容するために、BDPが支持する無所属の国会議員候補ギュルタン・クシャナック氏、ハシップ・カプラン氏とディヤルバクル広域市長オスマン・バイデミル氏らが当該地域へ行った。

殺されたPKKメンバー3人の遺体がイラク領内で見つかったことで、約300人が16日の朝、イエミシュリ村のビリジャン丘地点で国境を越えようとした。広範囲で治安対策をとっている治安部隊は、国境越えの許可を出さなかった。緊張が高まり治安部隊が空に向けて警告射撃を行う一方、至る所で衝突がおきた。こうした衝突の後、約300人が1時間の徒歩行の後、国境を越えた。

■クシャナック氏、カプラン氏、バイデミル市長は遺体を待ち待機

 ビルジャン丘ではギュルタン・クシャナック氏、ハシップ・カプラン氏、オスマン・バイデミル氏を含む多数の人が遺体を待っていたが、そこへシコルスキー・ヘリコプターで増援部隊が降下し、治安対策がもっとも高いレベルへと引き上げられた。国会議員候補を含むグループの周囲でも幅広い治安対策が取られた。治安部隊は、イエミシュリ村とビルジャン丘への立ち入りを禁じた。

(中略)

■国境を越えて運ばれた3人の遺体は軍が検死のために没収した

ウルデレ郡イエミシュリ村ビルジャン丘地点からイラク領内へ入った者が収容した3人のPKKメンバーの遺体はトルコ領内に移送された。

無所属の国会議員候補ギュルタン・クシャナック氏、ハシップ・カプラン氏とディヤルバクル広域市長オスマン・バイデミル氏と多数のBDP支持者が参列し、遺体を車に載せてイエミシュリ村に向かって移動した。兵士らは、イエミシュリ村の近くで車列の前を塞ぎ、BDPメンバーの検死をするためにテロリストの遺体を収容した。
この間、軍は無許可でイラク領へ行って遺体を捜した人のうち数人を逮捕した。数人のBDP関係者らは、逮捕を逃れるために、軍の検問地点で逃走することが見受けられた。

■一人のPKKメンバーの遺体は家族が引き取った

ウルデレ郡で起きた戦闘で死亡した12人のPKKメンバーのうち6人の遺体が安置されたシュルナク県立病院では、ハッキャーリ県の住民登録があるPKKメンバーのアデム・アシャン氏の遺体を家族とBDP支持者らが病院から引き取った。

同県立病院から引き取った遺体は、車列が組まれハッキャーリへ運ばれた。車列の前進は、イエニ街区のにある無所属の国会議員候補のハシップ・カプラン氏の選挙事務所で待機していた群衆からの拍手喝さいで遮られた。「報復」を呼びかけるグループは、BDPの県事務所の前まで遺体を運ぶ車と行動をともにした。車列参加者は戦闘で殺害されたPKKメンバーの写真を掲げた。

機動隊部隊は行進の間、事態への対応のため周囲で厳しい治安対策をとった。
一方、周囲で待機していた機動隊部隊がいる場所に向け、背後から投げられた花火が勤務中の警官一人の顔にあたった。軽いけがをした警官は、同僚が応急処置を起こった後、警察関係の車両で病院へ運ばれた。

■スィイルトで座りこみ

ウルデレ村での戦闘でPKKメンバー12人が殺害されたことへの抗議のためBDP支持者が実施を求めたデモ行進に警察は許可を出さなかった。約500人の参加者の中にはスィイルトの無所属のセリム・サダク知事、BDP県代表のファルク・サーラム氏もおり、彼らは白黒の布を掲げウルス街区からギュレス通りにあるBDP選挙事務所へ行進をはじめた。これに対応した警察はデモ隊の行く手を阻み、行進の許可を与えなかった。

BDP県代表のファルク・サーラム氏の尽力にもかかわらず、警察は行進に許可を出さなかったことで、グループはまとまって通りの中央で座りこみをおこなった。約1時間の座りこみのあと解散したが、その中のグループのひとつがシュプレヒコールをあげはじめた。警察はシュプレヒコールをあげるグループを制止しながら、シュプレヒコールをやめるよう3回警告し、解散をうながした。これに対し、グループはシュプレヒコールをあげながら、脇道へ向かって逃げた。警察もデモ参加者の後を追って走った。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:22518 )