「逸脱グループ」への反発、続く:情報相、逸脱グループとの対決を予告
2011年05月22日付 Mardomsalari 紙
【政治部】「逸脱したグループ」への対応が新たな局面を迎えている。昨日、情報相、バスィージ機構長官、テヘラン臨時金曜礼拝導師、そしてサファヴィー司令官の4人が、時を同じくして「逸脱したグループ」への新たな対応のあり方について議論の俎上に上げたのである。なかでも、ホッジャトルエスラーム・モスレヒー情報相は「情報省は、国内で逸脱したグループとして活動している集団との対決に乗り出すことになるだろう」と述べている。
〔※ホッジャトルエスラームは、シーア派宗教指導者の位階の一〕
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ファールス通信の報道によると、「被抑圧者の動員」(バスィージ)機構長官のモハンマド・レザー・ナグディー司令官も記者会見で、〔‥‥〕「テロリストや偽善者たち〔※特にMKOなどの反体制組織を指す〕の集団はテロ行為に手を染めた後、こうした行為が逆効果となって、イラン国民の団結をもたらしたことを目の当たりにした。彼らが体制責任者の間に亀裂を生じさせ、彼らの対立を煽り、そうすることで国民が当局者や体制に対して白けてしまうような状況を作ろうとしているのは、このためなのである」と述べた。
同氏はその上で、「今日、《逸脱》の名で知られるグループは、まさにこうした集団を受け継ぐ存在である。彼らは当局とのチャンネルを構築し、誤った情報を流すことで、国民と当局者を逸脱行為に引き込もうとしている。我々は今後数ヵ月以内に、このグループに関するより詳細な情報を市民に提供する予定だ」と付け加えた。
ナグディー氏は、逸脱した潮流のバスィージへの浸透可能性はいかほどか、との質問に答えて、「あらゆる人間にとって間違いを犯す危険性は死ぬまで存在するが、バスィージには特別な性質がある。それは、彼らと人民を結びつけているのがヴェラーヤト(イスラーム法学者の監督)であり、バスィージはヴェラーヤトを丸ごと受け入れている、という特質である〔=イスラーム法学者の監督(最高指導者の指導)を受け入れている限り、バスィージが過ちを犯すことはあり得ない〕」と述べた。
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ハーメネイー全軍最高総司令官の上級顧問を務めるセイエド・ヤフヤー・サファヴィー少将も〔‥‥〕イスラームとシーア派における統治の政治哲学について説明した上で、「イスラームとシーア派における統治の政治哲学とは、現在我々が過ごしている《大お隠れ》の時代にあっては、《後見人であるイスラーム法学者》こそ《時のイマーム》の代理人に他ならない、というものである〔※〕」と述べた。
サファヴィー氏は続けて、外国の諜報機関による活動によって一部の逸脱した思考を持つグループが暗示・誘導されていると指摘し、「イスラーム革命の30年間にわたる政治的経験が物語っているのは、一部の逸脱した集団の裏には外国の諜報機関が存在する、ということだ。〔しかし〕神の恩寵により、我が人民は敬虔で聡明、かつ偉大なるイマーム〔・ホメイニー〕と〔ハーメネイー〕最高指導者に忠実な人民であり、逸脱したグループはこの偉大なる国民をイマーム閣下と敬愛すべき殉教者たちの理想から引き離すことはできないだろう」と述べた。
また、テヘラン金曜礼拝導師〔‥‥〕ホッジャトルエスラーム・カーゼム・サディーギーは金曜日の夕方〔‥‥〕、講話の中で「今日、社会に存在する新たなる危険のひとつに、マルジャ(シーア派宗教最高権威)の指導も、イスラーム法学者が説くイスラームも、後見人(ヴァリー)であるイスラーム法学者の統治権も認めないような逸脱し影響力のある集団・グループが存在することが挙げられる。彼らは遺憾なことに、〔人々を欺くかのように〕《時のイマーム》についてだけは口にしている〔=敬虔な信徒のように振る舞ってはいるが、真のイスラームを説くイスラーム法学者のことばには従おうとしていない〕」と述べた。
※シーア派では、第12代イマーム(時のイマーム)はお隠れ状態にあり、終末の時に救世主として再臨すると信じられている。お隠れには、4人の代理人がイマームの声を聞いていたとされる《小お隠れ》の時代と、イマームの声がまったく聞こえなくなった《大お隠れ》の時代とがあり、現在は《大お隠れ》の時代にあたる。ホメイニーは、公正で有識のイスラーム法学者こそ、社会の後見人(ヴァリー)としてこの《大お隠れ》の時代を統治する義務がある、とする統治理論「ヴェラーヤテ・ファギーフ」(イスラーム法学者の監督)を示した。
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( 翻訳者:松村すみれ )
( 記事ID:22648 )