リビアでNATO軍の攻撃続く。日本政府はカッザーフィー氏の資産を凍結
2011年06月05日付 Al-Ahram 紙

■日本政府、カッザーフィー氏や側近の資産44億ドルを凍結
■NATO軍、戦闘機でリビアの攻撃目標を爆撃

2011年6月5日『アル=アハラーム』

【トリポリ、ブリュッセル、パリ、通信各社】

北大西洋条約機構(NATO)は、リビアでカッザーフィー部隊に対する軍事作戦を開始して以降初めて、同国内の攻撃目標を爆撃するために攻撃ヘリコプターを使用したと声明で発表した。同声明によれば、爆撃された標的には軍用車の車列や軍事機材、戦地の部隊が含まれているというが、攻撃地点については言及されていない。

イギリスのTV局「スカイニュース」は、「攻撃を遂行したのは、イギリス軍のヘリコプター揚陸艦『オーシャン』から出撃した攻撃ヘリコプター『アパッチ』で、攻撃目標となったのは、重要な油田地帯が存在する東部のアル=ブレイカ市である」と伝えた。「オーシャン」に乗り組んでいる同局特派員によると、標的2点や検問所の装甲車両に対して攻撃が行われた。またNATO軍の声明によれば、攻撃ヘリコプターの使用により、住宅地域の中心部で潜伏を試みるカッザーフィー派部隊に対して監視や攻撃を行う上でより柔軟な対応が可能になるという。

一方、日本の新聞「ジャパン・トゥデイ」によると、東京では日本政府高官らが「国連安保理決議を適用して、カッザーフィー大佐及び同大佐の側近らが日本国内に保有している資産44億ドルを凍結した」と明らかにした。

また政治的な動きに関しては、ミハイル・マルゲロフ露大統領特使が明日〔6日〕、反体制派の代表者らとの会合のために東部ベンガジを訪問する。同特使がノーボスチ・ロシア通信社に電話で語ったところによると、ベンガジで反体制派の暫定国民評議会執行部と会談する予定であり、同評議会のムスタファー・アブドゥルジャリール議長やオマル・アル=ハリーリー軍事担当、メンバーのマフムード・ジブリール氏との会談を希望しているという。一方でロシア紙「トリビューン」は本日付の記事で、「NATO軍はムアンマル・カッザーフィー部隊の軍事作戦にさらされているリビア市民を保護するとの目標を実現できるのか」と疑問を呈した。また同記事は、西欧が一般市民の保護という名目で武力行使を認める国連安保理決議を引き出そうと躍起になっていたと指摘している。

一方リビア国内の暴力行為による深刻な人道危機に関しては、国連人道問題調整事務所(OCHA)の中東・北アフリカ・中央アジア支部の報告によると、国連代表団は5月31日から6月2日にかけて人道状況を把握するためにトリポリ、アル=フムス、ジンターンを訪問した。フムス地区ではミスラータからの避難民4万9千人が生活しており、緊急に人道支援を必要としているという。

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( 翻訳者:加瀬冴子 )
( 記事ID:22773 )