欧州安全保障・協力機構の事務局長選出でオーストリアと対立
2011年06月05日付 Zaman 紙

アンカラは、トルコ反対発言で知られるオーストリアの候補者ウルスラ・プラスニク候補を拒否した。本紙に語ったアフメト・ダウトオール外務大臣は「我々トルコが欧州に加わることに疑問を呈する人物を承認しないという話ではない」と述べた。

トルコの候補者ブユケルチ・エルスィン・エルチンをキプロス・ギリシャ地域とアルメニアが拒否した。

欧州安全保障・協力機構の事務局長選出で、オーストリア元外相ウルスラ・プラスニクが最も有力な候補者だと見られていたが、アンカラはトルコで評判の良くないこの候補を、ためらわずに拒否した。プラスニクはトルコに、EU加盟の代わりに特権的パートナーシップを提案する候補者であった。ここ最近では、2月に「ムスリム人口が多いためにトルコのEU加盟は懸念され、不安視されているものとみられる」と述べた。大臣時代にトルコを煩わせたこの候補者に、アンカラはすぐに反対した。オーストリアからの密な外交要求に関わらず、トルコは後退しなかった。オーストリア政府はこの拒否がオーストリアへの反対と考える理由となると警告した。しかしトルコ関係者は、この拒否がオーストリアにではなくプラスニク個人に反対するものであると述べ、この国が選出するほかの候補者は暖かい目でみるとの言葉を送った。

故郷であるコンヤ地方のタシュケント市にいるダウトオール外相は、本紙に危機の背景を説明した。同外相は「トルコの欧州入りを問題とした候補者に投票は与えない」と言う断定の表現を使った。また欧州安全保障・協力機構事務局長が全ての国々を包括する人物である必要があると述べた。危機を乗り越えるため、ダウトオール外相とオーストリアのミヒャエル・シュピンデルエッガー外務大臣との間で何度も電話での話し合いが行なわれたが、結果は変わらなかった。オーストリアの「あなた方の拒否はオーストリアに反対することになる」という警告も結果をなさなかった。拒否の後会見を行ったシュピンデルエッガー大臣は、「トルコがオーストリアの候補者を拒否すると発言することは自身の都合によるものであり、まったく正当なものではない。これが実際に行われた場合、両国関係に影が落ちるであろう」と述べた。

■トルコ人候補者にキプロスとアルメニアが拒否

オーストリアと起こった危機とは無関係に、トルコ人候補者もキプロス・ギリシャ地域とアルメニアの拒否を受けた。トルコの駐ブラジル大使エルシン・エルチン氏は有力候補者の1人であった。イタリアとポルトガルの候補者の前途が開けた。決定は欧州安全保障・協力機構メンバー56参加国の全会一致でおこなわれる。

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( 翻訳者:倉田杏実 )
( 記事ID:22780 )