モタッハリー議員、大統領の喚問の可能性を示唆:議員の署名、90名にのぼる
2011年06月09日付 Mardomsalari 紙

原理派議員の一人であるモタッハリー氏は、様々な配慮から、これまで大統領の喚問〔※1〕に踏み切ることはなかったと指摘した上で、喚問用にすでに90名の議員から署名を得ていることを明かし、「神の恩寵があれば、この喚問を始動させることになるだろう」と語った。

 ハバル・オンラインによると、アリー・モタッハリー氏は以下のように語った。

〔‥‥〕法律の施行に関し、大統領は自らの法律解釈に固執し、実際のところ法律逃れを続けている。しかしながら、法律を解釈するのが誰かについては、憲法に明記されている。例えば、憲法の条項を解釈するのは護憲評議会、一般の法律の解釈については国会、そして政府の決定事項と一般の法律の整合性については国会議長が解釈することになっているのだ。大統領は「政府は自らの法律解釈を実行に移すのであって、他人の解釈を施行するのではない」などと発言しているが、しかし意見の相違がある場合には、政府は法的に定められた権威の解釈に従う義務があるのだ。

 モタッハリー氏は、大統領が〔‥‥〕マシャーイー一派の存在を支持していることについてふれ、次のように続けた。

もちろん、文化的リベラリズムイラン主義といったものを拒絶している、あるいは自身の側近たちの金銭上法律上の不正に対して注意を払っている、といった様子がアフマディーネジャード氏に全くみられないのも事実である。この一派〔=マシャーイー一派〕とアフマディーネジャード氏を分け隔てるようなものなどまったくなく、実際には一体なのだという見方も有力視されている。

 テヘラン選出の同議員は、大統領が情報相復職に関する〔最高指導者の〕統治令〔※2〕に対して、12日間にわたって抵抗する態度を示したことについて、自身からなんの釈明もなかったことにふれ、次のように指摘した。

アフマディーネジャード氏は、文化・信仰・政治の面で政府がこれまで取ってきたやり方を、これからも続けるつもりのように見受けられる。それ故、国会としては、法律の施行の面であれ、文化的領域においてであれ、同氏が正しい道を進むよう促す必要があるのである。

 モタッハリー氏はその上で、「こうした理由もあるので、さまざまな配慮から、特に大統領が正しい道に復帰することへの期待から、90名近い議員の署名を集めながらもこれまで行われてこなかった大統領の喚問について、神の恩寵があれば、今後それを発動させることもあるだろうし、それはそれで国益に適うものだと考える。政府と国会の間でより深い相互理解が得られるだろうし、互いの多くの誤解の解消にもつながるだろう」と強調した。



訳註
※1:「大統領の喚問」とは、国会が大統領を呼び出し、職務遂行状況について問い質すことで、全議員の4分の1以上の賛成があれば、これを行うことができる(憲法88条)。大統領の罷免を最高指導者に進言することのできる「問責」のための召喚(全議員の3分の1以上の賛成が必要)とは異なる(憲法第89条)。

※2:イスラーム法学者の最高の義務としての「国家の統治」を滞りなく遂行するために、最高指導者が超法規的に出すことのできる命令のこと。

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( 翻訳者:長島太郎 )
( 記事ID:22821 )