負傷した状態で発見された被害者の夫
ファトマ・バージュは彼女を絶えず殴っていた夫を二度も検察局に訴え、保護を求めた。そのたびに監察下に置かれては釈放されるを繰り返していた夫は、昨日57歳の妻を路上で射殺した。
トルコの女性殺人の暗黒の歴史に、昨日また汚点が加えられた。デニズリで夫から受けた暴力のため離婚請求しており、検察局の手筈で女性保護施設に住んでいた57歳のファトマ・バージュは、彼女の後をつけていた54歳の夫、ムスタファ・バージュによって短銃を用いて路上で射殺された。事件現場から1キロほど離れてところでムスタファ・バージュは同じ銃で撃たれた状態で発見され、病院で息絶えた。繊維工房に勤めているファトマ・バージュが以前に夫に関して検察局に2度の請願書を書いたこと、保護要請をしていたことがわかった。
■胸を撃たれて
事件は昨日9時ごろ、ペリットリバー地区1101通りにある女性保護施設の約200メートル先で起こった。5月以来、女性保護施設に滞在していたファトマ・バージュを、勤務先の繊維工房に向かう途中に20年来の夫、ムスタファ・バージュが彼女を引き止めて話をしたいと要求した。ムスタファ・バージュは妻と和解したい、離婚要請を取りさげ、家に帰ってきてほしい旨を伝えた。3人の子の母であるファトマ・バージュは、和解要求を受け入れず、道を急ごうとした。ムスタファ・バージュは手元にあった短銃でファトマ・バージュの胸を打ち抜いた。不運な彼女は血だまりのなかに倒れる一方で、興奮した夫は事件現場から逃走した。デニズリ国立病院に運ばれていたファトマ・バージュは運搬中に命を落とした。
■けが人として発見
ある修理工場で働いていたとされるムスタファ・バージュは事件から20分後に、かつての市内バスターミナルで怪我をした状態で発見された。市民の通報により事件現場に到着した警察は、腹部を撃たれた状態のムスタファ・バージュを発見した。デニズリ国立病院に運ばれたムスタファ・バージュは治療を受けたが、もう一歩のところで助からなかった。数人の目撃者はムスタファ・バージュが自殺したと話し、そのうちの数人はタバコに火をつけようとした際、誤って銃に手をかけたと証言した。
■毎回事情聴取、しかし釈放
ファトマ・バージュがデニズリの共和国検察局に5月に請願書を書き、3人の子の父であり、20年来の夫が彼女を絶えず殴ると訴え、刑事告発されていたことが明らかになった。検察局は請願書に関して調査を始め、ファトマ・バージュを女性保護施設に住まわせた。告発により逮捕されたムスタファ・バージュは事情聴取の後、釈放された。5月以降別居していた夫が彼女の後をつけ、離婚の取りやめを要求し、脅迫したことを証言したファトマ・バージュが検察局に2度の請願書を書き、保護要請をしていたにもかかわらず、2度とも監察下に置かれていたムスタファ・バージュは、事情聴取で妻を脅迫してはおらず、ただ話しをしただけだと供述した結果、釈放されていたこと、また夫妻の3人の子供は結婚していたことが明らかになった。
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( 翻訳者:奥真裕 )
( 記事ID:22951 )