イスラーム革命最高指導者「文化の戦争はより複雑に、より包括的なものになっている」
2011年06月14日付 Jam-e Jam 紙

 イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は昨日午後、文化革命最高評議会の議長、ならびにそのメンバーらと面会し、そのなかで一国民のアイデンティティ/精神的本質として、文化というカテゴリーがもつ極めて高い重要性、そして個人的・社会的生活の様々な側面において文化が有している深甚なる影響について指摘した上で、文化革命最高評議会の責任は極めて重大であるとして、次のように強調した。

イスラーム体制に敵対する抑圧戦線〔=欧米〕による複雑かつ包括的な文化侵略において、文化革命最高評議会は主要な基地として、〔文化的〕戦略を立案し、文化的に重要な機関や行政部門を指導する義務を負っている。

〔‥‥〕

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はさらに、次のように指摘した。

もしある国民が、表面的性質の点から、好ましい状態にあり、進歩したように見えつつ、その実、文化的・内面的な点からは混乱していたとしたら、そうした国民は《破綻した国民》といえるだろう。しかし文化的に豊かな国民は、たとえ政治的・経済的に問題を抱えていたとしても、潜在的には《強い国民》といえるだろう。

 同氏は、国民のアイデンティティ/内面的本質が守られるかどうかは、文化的欠陥を除去し、文化において生じる可能性のある《穴》を〔事前に〕修復できるかどうかにかかっているとし、次のように強調した。

知識人、エリート、ウラマー、政治活動家、そしてとりわけ国と為政者たちは、国民の文化に影響を与えることのできる中心的存在である。彼らは文化を強化することも、それを弱体化、あるいは衰退させることもできる。


 イスラーム革命最高指導者は、数年前、国の文化にとって《主要な基地》であると文化革命最高評議会を表現したことについて思い起こした上で、次のように続けた。

当時、「文化的問題に対して〔基地という〕軍事的な用語をなぜ用いるのか」との疑問が一部から出された。しかしながらもし現在の世界の文化的状況を注意深く観察すれば、文化の領域で複雑かつ大いなる侵略が進行していることに気がつくはずだ〔それゆえ、数年前に私が文化的問題に軍事的用語を用いたことは正しかった〕。

 ハーメネイー氏はさらに、「今日、世界的に生じている通信分野での大変革とともに、文化の戦争は様々な側面、包括的で複雑な側面をもった領域へと移っている」と指摘した。

 同氏はまた、抑圧戦線〔=欧米〕こそ、この文化の戦争の真の首謀者だと指摘し、次のように加えた。

抑圧戦線による文化的侵略は世界のすべての国に及ぶ。しかしこの侵略の最も重要な標的は、イスラーム共和国体制である。なぜなら、イスラーム体制は覇権主義体制に〔革命以来常に〕抵抗し、自らの抵抗において誠実であること、そして〔欧米諸国に〕対抗し発展する力をもっていることを証明してきたからだ。

 同氏はイスラーム革命の文化的使命についてふれ、「抑圧戦線による文化的侵略に対抗するためには、道徳や個人的・社会的ふるまい、宗教的信念、政治などの領域へと、イスラーム革命の文化的使命の拡大させ、深化させることが大切だ」と強調した。

 ハーメネイー氏は、イスラーム革命を担う現在の若い世代について、信心深く革命的で、意識が高いと指摘し、「私はこの若い世代を多いに信じている。彼らの信仰心の表現、そして優れた政治参加の姿勢は〔過去と比べて〕極めて深く、魅力的で、意義深い。しかしイスラーム世界と若者たちのポテンシャルは現状を凌ぐものであるということも、受け入れなければならないだろう」と語った。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:古賀夏樹 )
( 記事ID:22962 )