石油当局:我々はサウスパールス開発でカタールよりも10年遅れている
2011年06月14日付 Jam-e Jam 紙
サウスパールス・ガス田の開発フェーズに関し「35カ月契約」が締結されてから1年、「海上設備工学建設社」(Iranian Offshore Engineering & Construction Company)の代表取締役は、このプロジェクトは多かれ少なかれ計画に従って進められていると語った。
〔※訳註:サウスパールス・ガス田は極めて広大なため、24の段階・地区に分けて開発が進められている。この各段階を「フェーズ」という〕
イラン学生通信(ISNA)によると、アリー・ターヘリー代表は〔‥‥〕さらに、「残念ながら、イランはサウスパールス・ガス田開発において、カタールよりも10年から11年遅れている」と付け加えた。
〔※訳註:イランが開発するペルシア湾の「サウスパールス」ガス田と、カタールが開発する「ノースフィールド」ガス田は、同じガス田であり、先に開発した方がその分利益を得ることができるようになっている〕
同氏によれば、カタールのサウスパールス開発が進展しているのは、シェルやトタールといった信頼の高い石油会社が同国に協力しているためだという。
同氏はサウスパールス開発計画の一部(「35カ月プロジェクト」の名で通っている)が同社に委託されていることについて触れ、「1か月遅れた場合、請負業者は5千万ドルの罰金を支払う義務があるなど、この契約はきっちりとした、柔軟性のない内容となっている。それゆえ、我々は会社の機動性を高めるべく、努力を重ねてきた」と語った。
同氏によると、現在、サウスパールスのさまざまなフェーズを完了させるために、イランの請負業者に対しては35ヶ月間の期間が設定されているが、国外の請負業者の場合、この期間は2倍に設定されてきたという。
同氏は、「35カ月プロジェクト」では「時間」が最優先事項となっていると指摘し、「このプロジェクトは経済的な点でも、政治的な点でも、国にとって極めて重要である。というのも、このプロジェクトが一日遅れれば、各フェーズごとに5千万ドル以上の損失を国に与えてしまうからだ」と語った。
同氏は、サウスパールス・プロジェクトの契約締結から1年が経過したことに触れ、「1年が経ち、プロジェクトの進捗状況はある程度、あらかじめ発表したスケジュールにそって進んでいると言える。資金調達がうまくいけば、これからも同じようなスピードでプロジェクトを進めていけるだろう」と述べた。
関連記事(「イスラーム・パイプライン」敷設へ:ヨーロッパ向けイラン産天然ガスの新輸出ルートに関し合意)
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:熊沢絵那 )
( 記事ID:22988 )