シリア情勢に対するフランスとロシアの立場
2011年06月22日付 Al-Nahar 紙

■シリアをめぐるフランスとロシアの見解の相違
■プーチン氏:「デモ参加者の目的を知っているか?」

2011年6月22日『アル=ナハール』紙

【AFP、中東通信】

フランス政府とロシア政府の間で昨日〔21日〕、シリア問題をめぐる立場の相違が再び現れた。フランスのフランソワ・フィヨン首相はロシアのウラジミール・プーチン首相をパリで迎えた直後に、「国連安保理は、シリアで起こっていることに対してこれ以上黙っていることはできない」という見解を示した。それに対してプーチン首相は、シリアの内政問題に対する如何なる干渉にも反対すると繰り返した。

フィヨン首相はプーチン首相との共同記者会見で、「安保理はこれ以上黙っていることはできないだろう。全ての者が責任を果たす時が迫っている」と述べた。

一方でプーチン首相は、「主権国家に対する介入は先が見えない」と述べた。また、北大西洋条約機構(NATO)が3か月以上前から介入しているリビアを明確に指し示し、「地域のいくつかの国の情勢を見れば、我々が作戦を先導しようとしても状況が良くならないことは明らかだ」と主張した。

プーチン首相はフランス語訳の通訳を介し、「シリアで実際に起こっていることを我々はよく理解していない」と述べ、「あなた方は力の均衡を知っているのか。デモに参加している者は誰なのか。彼らは何を望んでいるのか、目的は何か」と尋ねかけた。また「介入してはならず、必要なのは支援だけである」とも述べ、「実際に同情勢は、国連の枠組みの中で協議の対象となっている。我々の専門家が同僚らと共に取り組んでおり、今後も作業を続けていく」と強調した。

フィヨン首相は、フランスはシリア情勢に関してロシアと「アプローチを異にしている」が、「修複は可能である」と強調した。その後、フランスのニコラ・サルコジ大統領はプーチン首相を1時間45分にわたってエリゼ宮殿に迎えたが、双方とも会談後に声明を発表しなかった。

モスクワではロシア外務省が、「シリア大統領が行った演説は重要かつ建設的な一歩であり、新たな民主主義的原則を用いた取り組みを目指すものであると考えている」との声明を発表した。また、「シリアの将来を決定する上で国民と政権が共に取り組むことを規定したアル=アサド大統領の新たな計画は、危機脱出への道を確保し、シリアで日常生活を取り戻すことにつながるものである」との見解を示した。

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( 翻訳者:秋山俊介 )
( 記事ID:23005 )