フランスでモスクが政府の規制対象に
2011年06月26日付 Zaman 紙

ニース市が、11年間モスクとして使われてきた建物の購入を予定していたモスク協会に立ちふさがった。市は建物を自ら購入し、「ここにイスラム文化センターを作る予定だ」と発表した。市長は(建物購入の)本来の目的は、金曜日に道路にまで溢れる集団を阻止することであると述べた。ムスリムたちはこの決定に抗議し、問題を法廷に持ち込んだ。

2012年に選挙を控えるフランスで、政府が「通りでの礼拝阻止」を目的にモスク規制に乗り出した。ニース市在住のムスリムが11年間使用してきたモスクの建物は市の管理下に入る。ニース市長は、「通りでの礼拝規制を目的として」決定を下したと述べ、クロード・ゲアン内務大臣は、市の規制を「模範となる解決」と述べて評価した。マルセイユとパリでも、政府の命令で市が同様の行動を起こすとみられている。

観光地であるニースで生活するムスリムは、11年間使用したアル・バラカ・モスクの建物が買収されたことに大きなショックを受けている。賃貸で使用していたモスクを16万1000ユーロで購入しようと資金を集めていたムスリム市民だったが、市によって妨害された。フランスの法律は、売りに出された建物に対し、自治体の購入優先権を認めている。ニース市は、購入手続きの1日前に「先買権」を行使した。

与党の国民運動連合(UMP)所属のクリスチャン・エストロジ市長は、買収したモスクをムスリムに向けた文化センターにしたいとしている。UMP内でも極右に近いことで知られるエストロジ市長は、金曜日に通りで礼拝が行われるのをこれ以上認められないとして、必要な措置をとると述べた。

この決定について本紙に語ったアル・バラカ協会のアブドゥルハミド・ラゾウク会長は、エストロジ市長が彼らをモスクを買うよう奨励し、モスクの敷地を広げるために援助すると約束していたと話した。ラゾウク会長は、今回の決定が、ムスリムを街の中心地から遠ざけるための民族主義的で反イスラム的な行動であると主張し、問題を法廷に持ち込むと述べた。また、エストロジ市長が「通りでの礼拝は許可しない」と述べたことも批判し、ニース市で暮らすムスリムのためのモスクはひとつしかなく、金曜日に十分に集まれないのだと訴えた。

ニース市の決定は、礼拝場所を管轄する内務省のクロード・ゲアン大臣からも支持を得た。ゲアン大臣はモスク建造に政府が金銭的な援助をするという法案も批判しており、「今、ニースで模範となる解決が示された。パリとマルセイユでも市が同様の対応に踏み出すだろう。夏には顕著な結果を得られるだろう」と語った。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:23038 )