大統領、ハミード・サッジャーディー氏をスポーツ大臣候補として指名:国会内で波紋
2011年06月15日付 Jam-e Jam 紙

 スポーツ青年相候補を指名する、大統領の書状が国会に届いた。しかしこの書状は、今回の省設立に関する問題点が書き連ねられるなど、不満に満ちた内容となっている。そのなかで大統領は、スポーツ青年相を指名する以外に道は残されておらず、自らの意に反して大臣を指名せざるをえなかったこと、その結果セイエド・ハミード・サッジャーディー氏を国会に指名したことを強調している。

 ジャーメ・ジャム紙によると、昨日の朝10時、国会運営委員会は大統領から国会宛てに書状が届いたことを発表した。国会議員一同は、マフムード・アフマディーネジャード氏がこれまで通り、法律に基づき意中の大臣候補を指名する簡潔な内容の書状を国会に書き送ってきたのだろうと予想していた。

 ところが豈図らんや、今回の書状は簡潔どころではなかった。むしろ、問題点を5点指摘した上で、スポーツ省の設立そのものに疑問を投げかける内容だったのである。こうしたことがきっかけとなって、アリー・ラーリージャーニー国会議長からは反発の声が上がった。このような書状の書き方は前例がなく、法律違反に対する言い訳にすぎない、と強く指摘したのである。

 大統領の書状は、第5次開発計画で省の数を削減させることが国会で可決されたにもかかわらず、新たに省を増設しようとしている〔…〕といった矛盾を指摘した上で、国会の決定によってスポーツ行政に混乱が生じていると強調する内容となっている。

〔‥‥〕

■大統領の書状に対する国会議長、及び議員たちの反応

 大統領の書状が国会公開本会議場で読み上げられると、大臣の指名の仕方に反発する議員たちからは「2だ、2だ」という語が発せられ、抗議の意思が表明された。
〔※訳註:国会で投票が行われる際、「反対票」を投じる際に電子投票で「2」のボタンを押すことから、「2」という語が「反対」の代名詞のように使われている。なお、賛成の時は「4」のボタンを押す〕

 アリー・ラーリージャーニー国会議長は、大統領の書簡に意見を申し立てる最初の議員として、このような書状の書き方は前例がなく、〔スポーツ青年省の大臣候補を何ヶ月も指名せずにきたという〕法律違反行為を正当化するための言い訳にすぎないと断じた。

 同氏の発言に呼応するかのように、テヘラン選出のアフマド・タヴァッコリー議員、オルーミーイェ選出のジャヴァード・ジャハーンギールザーデ議員、ゴルヴェ選出のセイエド・エマード・ホセイニー議員、西エスラームアーバード選出のヘシュマトッラー・ファラーハトピーシェ議員他、多くの議員たちも大統領の行動に反発、国会への言い掛かりは法的手段によってのみ解決可能である〔=国会に文句があるのなら、書状の中で不満をこぼすのではなく、法的な手段を通じて解決を図るべきだ〕と異口同音に論じた。

〔後略〕

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( 翻訳者:米川千帆 )
( 記事ID:23043 )