北キプロスで宗教教育に組合が圧力
2011年07月03日付 Zaman 紙

北キプロス・トルコ共和国(KKTC)におけるサマースクールでは、コーラン教育がラテン文字テキストで行なわれる。法律でアラビア文字での教育が認められているにもかかわらず、一部の組合の圧力によって下された決定(ラテン文字テキスト使用)に、宗教関係者らは反発を示している。家族らもコーラン教育のために子どもをトルコへ送っている。

学校が夏休みにはいるとともに、トルコ同様北キプロス・トルコ共和国(KKTC)においても児童らが宗教知識を学ぶためのサマースクールが開かれている。宗務庁とKKTC国民教育省協賛のもと「宗教知識」の授業では、今年は興味深い授業運用が進められようとしている。コーラン教育がなされる授業では、アラビア語の文章は一切見当たらない。礼拝についての章や祈りについてはラテン文字の文章を基に暗記させられることになる。コーランが教えられるアラビア文字の小冊子のかわりに、審査官の監査を通り、学校で使用されている宗教文化の教科書をベースにして宗務庁が作成した資料によって宗教教育が行われる。

月曜日(4日)から最初の授業が行なわれるクラスでは、コーラン(がラテン文字で教育されること)を理由に、十分な宗教知識が教えられないことに反発した家族らが、子どもたちをトルコへと送り出している。今日(3日)に至るまで12歳以上の250人の子どもたちが、コーランを学ぶためにイスタンブルやカイセリを訪れている。
また法律に沿った形で行なわれる授業に不快感を示す組合は、こうした授業運用に反対している。キプロス・トルコ人教員組合(KTÖS)とキプロス・トルコ中等教育組合(KTOEÖS)は、各学校を回って授業に圧力をかけており、こうした圧力行為が、教育カリキュラム変更に影響を及ぼしたことが明らかになっている。KKTC宗教関係者連合のハイリ・コチ理事長は、法律が許可を与えているにもかかわらずこのような変更が行なわれたことを、「事態を緊張させることになる企てを未然に防ぐこと」として説明した。南北分断以前の時代でさえ、モスクでコーランの授業が行なわれたと話す宗教関係者組合のメフメト・デレ組合長は、法律が許可しているにもかかわらず授業で(アラビア文字で)コーランが教えられないことを、「憲法が認める権利の強奪」であると述べた。政治家たちは「一握りの人々の圧力に」屈したと批判するデレ組合長は、礼拝についての章がラテン文字で教えられることは、多くの不十分さをもたらすであろうと強調した。

一方、昨年コーラン授業に圧力をかけて生徒や教員らを追い出したKTÖSは昨日会見を開き、コーラン授業にはいかなる教員及び職員も関わらず、この授業の監督監査をも行わないよう要求した。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:23133 )