爆発事故で苦しむギリシャ側キプロスで大停電―トルコ側の支援を断る?
2011年07月13日付 Zaman 紙
軍事基地爆発により発電所が大きな被害を受け電力不足に陥っているキプロスだが、KKTC(北キプロス・トルコ共和国)からの電力援助の申し出を受けるかどうか態度を決めかねている。対応を協議している議会では、ギリシャ人(キプロス人)としてのプライドを重視して援助に否定的な声があがっている。
ポリティス紙は、KKTC側がキプロス電力局の管轄内に150メガワットまでの電力供給が可能であると発表したと伝え、これが実現すれば問題解決に向けた重要な一歩となることを伝えた。
同紙によると、KKTC側は申し出が受け入れられなかったことを同日ブリュッセル(EU)に伝えている。この問題に関しては、キプロスのディミトリス・フリストフィアス大統領官邸で昨日行われた会議で言及された模様。会議では全ての要素を前向きに検討するよう指示が出されたと見られるが、KKTC側が提供できる支援の全容が昨日の昼までには確定していなかったという。また、(KKTCの)キプロス・トルコ電力機構が(ギリシャ側の)キプロス電力局幹部と接触したというKKTCからの情報も、キプロス電力局側の裏づけは取れていないという。その情報によれば、キプロスのアンドニス・パシャリディス産業相がキプロス商工会議所(KEVE)を通じて双方のやりとりを進めることを発表したと伝えている。さらに同紙は、キプロス・トルコ電力機構となされるあらゆる合意に対し、いわゆる「キプロス共和国」(政府)が直接的に関与はしていないとみなされるよう、このような状況下で表面化した政治的緊張を避ける形での方策が検討されていることを補足した。
「支援の申し出は慎重に検討」
一方ハラヴギ紙は、「ギリシャ、イスラエル、その他の民間企業からエネルギー調達を準備…占領下の地域(北キプロス)からの支援申し出も検討中」と題した記事で、ヴァシリコの発電所が稼動できなくなったため、約350メガワットの電力不足を補うため、キプロス電力局がギリシャ、イスラエル、その他民間企業から発電機を確保する方向で調整に入っていると伝えた。同紙はキプロス政府高官のステファノス・ステファヌ氏の発言を挙げながら、政府が「キプロス共和国のキプロスでの主権が侵されないという条件のもとで」、北部から南部への電力援助の申し出を検討する姿勢であることを明らかにした。
フリストフィアス大統領官邸で行われた会議後の会見に現れたステファヌ氏は、提案されている全てのエネルギー源が「キプロス共和国」の法律に則って合法的に利用されるための諸決定が下されたと述べた。
この件に関してギリシャとの調整はかなり進んでおり、イスラエルとも交渉に入ったことを明らかにしたステファヌ氏は、民間企業とも共同で解決策を検討していると話した。
またKKTCからの支援申し出については、「キプロス共和国」のキプロスにおける主権が侵されないという条件のもとで検討する姿勢であることを再度強調した。
ステファヌ氏は、国民の不便な生活を少しでも改善するため、電力供給量を増やすために政府は関係部署とともにできる限りの努力をしていくと語った。
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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:23262 )