クリントン国務長官、2012年キプロスでの国民投票を支持
2011年07月17日付 Zaman 紙
米のヒラリー・クリントン国務長官は、トルコが提案したキプロスで2012年の初めに国民投票を行う計画を支持した。
リビア問題を協議する「連絡調整グループ」会議のためイスタンブルを訪れ、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相、アフメト・ダヴトオール外相と会談したクリントン国務長官は、「私たちは2つの共同体、2つの地域からなる連邦を2012年までに見たい」と述べた。会談ではテロとの戦いにおける協力関係をどう強化するかについても話し合われた。この問題では、共通の態度と協力関係を継続することで一致した。ディヤルバクルで殉職した兵士13人に関してお悔やみの言葉を述べたクリントン国務長官は、「アメリカは地域の安定を脅かすものに対し、同盟国であるトルコの味方である。トルコとその安全における両国の結びつきは岩のように強固で、ゆるぎないものである」と話した。
クリントン米国務長官のイスタンブル訪問ではキプロス、シリア、リビア、カフカス諸国、バルカン諸国、イラク、イランが議題となった。ミサイル防衛システムも取り上げられ、この問題は訪問中に議論することが決定された。クリントン国務長官と2時間会談したダヴトオール外相は、中東諸国の情勢に関する見解を伝えた。また、イランの核開発計画に関して会談を進める必要があると述べた。
キプロス問題に関してダヴトオール外相は、北キプロス・トルコ共和国で行った「対話を加速させ、2012年の始めに国民投票が行われなければならない」という提案を説明した。EU拡大担当委員のステファン・フューレ氏に行った、「南キプロスがEU議長国を単独で引き受けるなら、トルコ‐EU関係は凍結する」という警告をアメリカ側にも伝えた。記者会見ではクリントン国務長官に、アメリカが2012年のキプロスの国民投票に関してどう見ているかという質問が出た。2004年に行われたアナン・プランに基づく国民投票を、アメリカが積極的に支持したとしたクリントン国務長官は、「しかし結果は私たちを失望させるものであった」と述べた。現在の状態がどちらの利益にもならないとしたクリントン国務長官は、「私たちは刷新され、再びインターオペラビリティーを獲得した国連の努力を支持している」と話した。この問題で、決断はキプロスの人々が下すとしたクリントン国務長官は、「私たちは2つの共同体、2つの地域からなる連邦を一刻も早く見たい。2012年までに見たい。私たちはこのプロセスを支持している」という表現を用いた。会談で取り上げられた問題のうちの一つは、両国間の貿易高であった。ダヴトオール外相とクリントン国務長官は、両国間の政治、軍事関係は良い水準にあるが、経済関係の発展も必要であるとした。両者は記者会見で、トルコ‐アメリカ関係が世界的な平和にとって重要であるとし、それは中東地域における多くの問題へのアプローチもカバーすると説明した。
■ 表現と宗教の自由に関する指摘
クリントン国務長官は、トルコにおける表現と宗教の自由の拡大を求め、特にマイノリティーとヘイベリアダ神学校について言及した。クリントン国務長官は、テレビ番組での質問に関して以下のように話した。
「新聞記者、ブロガー、インターネットに干渉することはトルコの利益にならない。これはトルコがこれまで乗り越えてきたすべての段階と全く反対のことである。つまり外から見ている人にとってこれは理解しがたいし、私も理解しがたい」
トルコはこの先、憲法改正を控えているとしたクリントン国務長官は、改正が全政党の参加によってトルコの力を強調する形で行われる必要があると指摘した。クリントン国務長官は、「中東地域の人々は、トルコから学ぶことを望んでいる」と述べた。アメリカのメディア関係者は、シリア問題について質問した。ダヴトオール外相は、トルコのこの問題に対する主要なアプローチについて述べた。これによると、シリアの人々の正当で合法な要求に対して応えなければならない。しかしこの改革の過程は暴力からは距離を置いて行われなければならない。必ず、野党の誕生の可能性を認めなければならないという。
ヒラリー・クリントン国務長官は、忙しいイスタンブル訪問の中でCHPのケマル・クルチダルオール党首、BDPのセラハッティン・デミルタシュ会派代表、MHPのメラル・アクシェネル会派副代表と会談し、フェネル・ギリシャ総主教座も訪問した。
■ 「私たちはPKKをいかなる時も支持してこなかった」
ヒラリー・クリントン米国務長官は、アメリカがPKKを支持してきた、またはPKKを阻止するために十分な努力を示してこなかったといった批判を、はっきりと否定した。クリントン国務長官は、出演したCNNトルコの番組で、このことに関する質問に関して、「これは本当に間違っている。私たちはPKKを常に非難してきた」と話した。クリントン国務長官は、ディヤルバクルでのPKKによる襲撃の結果13人の兵士が殉職したことも非難し、テロとの戦いにおいてトルコを支持してきたと述べた。アメリカがPKKをテロリスト集団のリストに入れていること、情報が入ればすぐにトルコに伝えてきたことを説明した。
クリントン国務長官は、名前を挙げずにBDPへもメッセージを送った。民主的な社会では暴力とテロリズムは受け入れられないことを強調したクリントン国務長官は、「平和的な抗議と政治への参加が一方に、もう一方には暴力、この二つの間の違いを区別することが非常に重要だ」と警告した。
トルコ政府の、クルドの人々に向けた政策も支持すると述べた。ヒラリー・クリントン国務長官には、「最近トルコの顔が西から東にスライドしている」と論じられていることについても尋ねられた。トルコが東を、または西を見ているかという議論が無意味だとしたクリントン国務長官は、「なぜなら両方を同時に見ることができる国がなぜどちらか一方を向かなければならないのか?」と尋ねた。
トルコを地域的、世界的リーダーとして定義し、民衆の反乱が起こっている中東地域の国々がトルコから支持と提案を受けることができると話した。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:23312 )