ハーメネイー最高指導者「実在の人物に降臨の予兆を重ね合わせることは間違っており、逸脱である」
2011年07月10日付 Jam-e Jam 紙

 イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は昨日、マフディー論を専門とする教授や専門家、著述家、ならびにこの問題を専攻していた元学生らと面会し、その中で〔‥‥〕、「降臨への期待」はマフディー論のテーマと不可分であると指摘し、次のように強調した。

マフディー論という〔学問〕カテゴリーにあっては、この問題の真の専門家による正確でしっかりとした知的研究を増やし、大衆的で無知蒙昧、信頼性が足りない上に、妄想に依拠したような議論は慎むことが重要かつ必要であろう。

〔‥‥〕
 同師は「時の主」〔=第12代イマーム・マフディー〕が降臨する時代の特徴について触れつつ、次のように強調した。

このお方が現れる時代、それは神の唯一性、正義、真理、そして神への献身と服従が支配する時代である。それゆえ、降臨を待つ人々は常に自らを、こうした〔時代の〕特徴に近づける努力しなければならない。現状に満足してはならないのである。

 ハーメネイー最高指導者がマフディー論について指摘した3点目は、正確で根拠の伴った知的研究が遂行される必要性についてである。

 同師は「マフディー論においては、大衆的で無知蒙昧、根拠もなければ、空想・妄想に依拠したような議論こそ、極めて危険である。こうした議論は虚偽を主張する者どもの跋扈を許し、マフディー待望論の真理から人々を遠ざける原因を作ってしまうだろう」と指摘した。

 同師はまた、降臨の予兆〔に関する伝承〕を自身、あるいはその他の人々と照合してきた歴史上の嘘つきたちについて触れた上で、次のように付け加えた。

こうした作業はいずれも間違いであり逸脱の類である。なぜなら降臨の予兆に関する伝承の中には、根拠も説得力もないものもあるからだ。信頼に足るような伝承も、〔実在の人物・出来事と〕容易に比較・照合することはできないのだ。

 同師は続けて、「誤りと逸脱に満ちたこの種の伝承のせいで、マフディー論や降臨待望論の真実は忘却されたままの状態に置かれてしまっている。それゆえ、大衆受けするような議論や噂ごとは厳に慎まねばならないのだ」と強調した。

 アーヤトッラー・ハーメネイーはさらに、「言うまでもなく、マフディー論や降臨待望論に関する信頼に足る知的研究は、ハディース学や〔ハディースを伝えた〕名士たちのことをよく知り、哲学的な問題や考察に完全に精通している専門家らの手に委ねられている」と指摘した。

〔‥‥〕

Tweet
シェア


関連記事(ナバヴィー「《逸脱した潮流》は仲介者を経ることなく直接《時のイマーム》とつながっていると主張している」)
関連記事(アフマディーネジャード「世界で起きているあらゆる運動は、《時のイマーム》の許可のもとにある」)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:塩尻菜穂子 )
( 記事ID:23368 )